阪急交通社お客さま新聞
  



みなさん、お久しぶりです。エミールです。

前回の記事(春)から、あっという間に時間が経ちました。

わたしは専ら食欲の秋ですが、皆様にとってはどんな秋でしょうか?


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2009/10/29〜31海外実地研修@北京に参加してきました!


さて、突然ですが皆さんは「添乗員」と聞いてどんなことが思い浮かびますか?
入社当時は「世界を飛び回って観光案内なんてステキ!楽しそう!」というイメージでした。
しかし、このイメージはあくまでも添乗員業務のほんの一部だと、最近身をもって知りました。

まず、添乗業務を行うためには「(国内/総合)旅程管理主任者」という資格が必要になります。
「添乗員」はきちんとした資格の必要な職業なんですね。
資格取得のためには
(1) 座学講習4日間(約款、国内・海外実務講習、英語)
※ちなみに講習は一日1科目。毎日最後に筆記試験がありました。
(2) (1)に合格してから1年以内にサブ添乗もしくは実地研修に参加
上記の条件を満たしてはじめて「添乗員」としての実務資格を得られます。

・・で、先日この資格取得のために実地研修(北京3日間)に参加してきました!
(実は、研修から帰りたてホヤホヤでこの記事を書いています)

研修は、グループ内で添乗員役(直前に指名)・お客様役となって行います。
わかりやすく言えばツアーごっこ…でしょうか。
もちろん、資格取得のための「研修」なので「ごっこ」という甘い雰囲気はありません。

添乗員の業務は空港からスタート!
空港の受付で、お客様と初めて顔を合わせることになるわけです。
顔を合わせた時点で案内などが不十分だったり、慌てたりしている姿を見せると
その様子でお客様を「この添乗員さん大丈夫?」と不安にさせないためにも、
最初が一番肝心です!(講師の方も何度も仰っていました)
もちろん、こうした業務がはじめての私たちは・・・だったわけですが。

受付が終わっても、出国まで。出国手続きが終わっても飛行機搭乗まで。
お客様を飛行機にお乗せしたら休める〜〜・・わけもなく、機内でもお仕事。
出入国に必要な書類のご案内も大事な仕事のひとつです。
不備があれば入国手続きに支障が出ますからね。
(今回は搭乗してから飛行機の出発遅延が判明したため、その対応業務もプラス。
機内放送もきちんと耳を傾けていなければいけません。)

北京についても入国手続きの説明、お客様の誘導と休む暇はありません。
北京首都空港はかなり広い(+私は初めて)なのでよそ見しているとはぐれる可能性大。
そんな場所でも確実にお客様を誘導する必要があります。

移動中のバスの中でも、もちろん休む暇はありません。
これからの行程の流れ、中国国内でのこと(治安状況・衛生面などなど・・)
これらをわかりやすく説明し、お客様に理解してもらう必要があります。
郷に入れば郷に従え。日本とは違うということを理解していただかないといけません。

イメージしていた「観光案内」も旗を持って先頭を歩くだけじゃだめ。
後ろにいるお客様もきちんとついてきているか、全員揃っているかこまめに確認します。
足元への注意も欠かせません(先を見越して言わないと意味がない)
 

天安門  
↑天安門
ガイドさんの話に集中する姿(寒い日でした)
万里の長城
↑万里の長城
実際に登ってみるとかなりの急勾配にびっくり

ホテルに到着して、やっと休める・・なんて甘いことはなく
到着時のチェックイン手続き、お部屋設備・館内設備の簡単な説明。
もちろん、これらの情報は事前に手に入るとは限らないため、ホテルに直接聞くことも。
(ここで私は語学力の大切さ・重要さを身に染みて感じました・・)
もちろん、我々はお客様ではないので、ホテル到着後にセミナーでその日のふり返り。
そこで、ありがたーい翌朝提出の課題を頂いて、眠りについたのは真夜中でした・・。

このような行程で乗り越えた2泊3日。
最初はよそよそしかった研修メンバーも、最後は別れるのが名残惜しいほど。
大変な研修を一緒に乗り越えた「仲間」ができたのも、今回の研修のおかげです。

今回の研修を通して、添乗員の業務はとても責任のある大変な仕事と痛感しました。
常にお客様の行動を読みつつ、突然の出来事(研修中は特になし)にも対応しなければならない。
また、ツアー参加者にとっての頼れる・安心する存在である必要もあります。
実際、私たち研修メンバーも、お客様に話しかけられることがありました。
(格好だけはプロの添乗員さんとほぼ同じなので、別ツアー担当の方と思ったのでしょうか?)
トイレの場所だったり、研修中の私たちへの温かい言葉(がんばってね等)だったり・・・
普段、お客様と直接接する機会がほとんどない私にとって、とても貴重な体験でした。

天壇公園
↑天壇公園  最終日は綺麗に晴れました

私の普段の仕事のひとつに「お客様からのメールを読む」という業務があります。
(※全てのメールに目を通しているわけではありません)
主に、ツアーに参加された(帰ってきた)お客様からのメールを読むことになるのですが、
そのメールのほとんどに「添乗員」という言葉が入っています。
そこで、添乗員の仕事って本当はどうなんだろう?と思ったのが資格を取るきっかけでした。

今回の研修で添乗員としての立場・お客様の立場の両方を体験してみて
添乗員というのは本当に大変な仕事であり、またお客様にとっては
ツアーの良し悪しが決まってしまう、大変重要な役割でもあると感じました。
だからこそ、添乗員に対する温かい言葉、厳しい言葉が届くんだなぁ・・と。
ツアーを作る素材(ホテル・交通手段)だけでは、ツアーが成立しない。
最終的には、人と人とのつながりが大切なんだなと改めて思った3日間でした。




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江戸・東京を旅しよう
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「明治時代、文学の足跡を辿るたび」〈10〉
〜漱石・鴎外・一葉の東京と作品を訪ねて〜


■谷・根・千(ヤネセン)
私、尾上一途、上野の鴎外荘を後にし、今、千駄木に向かっています。森鴎外は、鴎外荘で処女作『舞姫』や『うたかたの記』を書き、離婚し、その後、明治25年から亡くなるまでの約30年間、千駄木で暮らしています。
今歩いている不忍通りは、東京メトロ千代田線の真上、この辺り、谷中・根津・千駄木を合わせて“ヤネセン”と呼ばれ、今、都内で最も有名な散歩の名所になっています。串揚げと総ケヤキ造りの建物で名高い『はん亭』、いつも列をなしている『根津のたいやき(柳屋)』、大正時代からの製造レシピを守るアイスモナカの人気店『芋甚』、月曜〜金曜が閉店で土・日しかやっていない不思議な雰囲気の猫の店『可憐堂』などなど、周りには他にも、ガイドブックに掲載され、マスコミにも取り上げられているお店や記念館等がたくさんあります。
さて、今歩いている不忍通りをそのまま直進し、団子坂下交差点を左折すれば、鴎外・千駄木の旧居跡に最短距離で達しますが、ここ“ヤネセン”まで来て外せないルートがあります。三四郎と里見美禰子も歩いた「へび道」です。と、いうことで、私、千駄木二丁目交差点を右折し、迂回して「へび道」を通るコースを辿ってみることにいたします。この「へび道」、蛇が出るわけではありません。民家の中を左右にクネクネ蛇行することから名付けられたものですが、余りのクネクネ度に、三半規管が麻痺し倒れる人もいるとのこと?
 

へび道   へび道

とっ、その途中、ベーグル好きの間で「ものすごく美味しい!」と密かな評判のベーグル屋さん『旅ベーグル』を見つけました。この『旅ベーグル』、そのひっそりとした店構えから、普通に歩いていては、先ずは見逃してしまいます。それと、ウイークデイはほとんどが閉店で、且つ、売り切れ次第閉店になりますのでご注意を!
「へび道」も終点にさしかかりました。千代紙のお店で、これも“ヤネセン”名店の一つ『いせ辰』前で左折し、右手の『菊見せんべい』で腹ごしらえの煎餅を買ってほんの少し行けば団子坂下交差点。ここは千代田線・千駄木駅の真上にあたります。

■団子坂
団子坂交差点

私、今、団子坂下交差点に立ち、この団子坂を見上げておりますが、どう見てもなんの変哲もない坂です。しかしながら、この団子坂は、日本の文学史上、最も舞台として取り上げられた坂なのです。名探偵・明智小五郎が初登場したのが、江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』。その他、鴎外、漱石、二葉亭四迷、室生犀星、正岡子規等の作品の中にこの団子坂が登場しています。

団子坂

さて、この団子坂、その名の由来は諸説あります。「勾配が急なため、人が団子のように転げるから」、「団子のような小石が多かったから」、「坂の上に団子屋が多かったから」といったもので、はっきりとは判明していません。
そうこうするうちに、鴎外の旧居跡に着きました。では皆様、ご一緒に中に入ってみることにいたしましょう。

(・・・次号へつづく)

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それでは 次回 又 お元気でお会いしましょう。

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