阪急交通社お客さま新聞

みなさーん!お元気でしたか?

「阪急お客さま新聞」編集部の田中です。

暑かったり涼しかったりでお天気も移り気ですが体調崩されていませんか?
先週 上野国立博物館の「国宝 阿修羅展」を見に行ってきました。
土日は混むだろうと思って振替休日(火曜日)に行ったのですが、入場待ち70分の大変な混雑ぶりでした。
1300年前の阿修羅像はとてもしなやかで顔には少し憂いを保ち(ちょっと夏目雅子さんに似てました)、正に五光が差していました。
やはりああいうのは写真やテレビじゃなく、生で見るのが一番だと思いました。
さて今回も新しいライターの登場です。
どんなお話を聞かせてくれるのやら?



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皆さま、こんにちは!
「阪急お客さま新聞」のライター初登場のモリコです。
旅行とスキューバーダイビングが趣味です♪どうぞ宜しくお願いいたします。

さて、早いもので今年ももう6月に突入しましたね。6月といえば「梅雨」
私の住む関東地域も例年より2日遅れでいよいよ梅雨入りしました。
ジメジメと雨の多い時期で、何かとネガティブなイメージを持ちやすいですが、
私のこの時期ならではの楽しみをご紹介します♪

あじさい
そう!「あじさい」です!毎年6月になるとあじさいを観に鎌倉へ足を運びます。
去年は北鎌倉、おととしは長谷を中心にあじさいを観に行きました。

北鎌倉ですと「明月院」、長谷は「長谷寺」があじさい観賞スポットとして有名ですが、
その他にもたくさんの観賞スポットがあるので毎年必ず違う所へ行って穴場を探すのが楽しみなんです。
江ノ電とあじさい
長谷寺の隣に位置する御霊神社より。
神社の目の前を江ノ電が走っています。鎌倉ならではの景色ですね。

明月院
こちらは『あじさい寺』こと明月院。

そして、あじさい散策の終わりには決まって鎌倉きってのショッピングストリート町通りをひやかして、
由比ガ浜をのんびり歩く・・・これが定番となっています(^^)

おっと。
それから「梅雨」でもうひとつ、思い出しました。梅雨の語源である「梅」がこの時期に実りますよね。
小学生のころ、夏休みに田舎の祖母のところへ遊びに行って、必ず口にするのが「しそジュース」でした!
そう、梅干を作るときに使う赤じそをったジュースです。濃いピンク色のその飲み物はさっぱりしていて、
子供ながらに甘いジュースよりも好きでした。
今では毎年我が家に送られてきます。これを飲む頃には夏の到来♪

あじさいもしそジュースも今から待ち遠しい今日この頃です。

皆さまの「季節の楽しみ」は何ですか?(^^)


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江戸・東京を旅しよう
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「明治時代、文学の足跡を辿るたび」〈6〉
〜漱石・鴎外・一葉の東京と作品を訪ねて〜


■三四郎池
さて、小説「三四郎」の世界に戻りましょう。
熊本から上京してしばらくの間、三四郎は孤独感や不安感にさいなまれます。所謂5月病ですね。そんな時、故里のお母さんからの手紙が届き、そこには『野々宮さんを訪ねてみなさい』と書いてあります。三四郎は直ぐに東大の理学教室にいる野々宮(この人物は、前回申しましたように、寺田寅彦がモデルです)に会いに出向きます。野々宮に会ったその後、三四郎は池のほとりを散歩します。そしてここ三四郎池“”で、三四郎は初めてこの物語のヒロイン美禰子(みねこ)に出会います。では、ちょっとその一節を読んでみます。
 

ふと目を上げると、左手の岡の上に女が2人立っている。女のすぐ下が池で、池の向こう側が高い崖の  木立で、そのうしろが派手な赤レンガのゴシック風の建築である。そうして落ちかかった日が、すべての向こうから横に光を透してくる。女はこの夕日に向いて立っていた。三四郎のしゃがんでいる低い蔭から見ると岡の上は大変明るい。女の一人はまぼしいとみえて、うちわを額の所にかざしている。顔はよくわからない。けれども着物の色、帯の色は鮮やかにわかった。」

運命の出会いを予感させる鮮やかな文章ですよね。

■小説のヒロイン!里見美禰子
この池のほとりで三四郎は、うちわを持って立っている若くて美しく都会的だが、どこか謎のある女性「里見美禰子」に出会い、その後、次第に心惹かれていくことになります。まあ、男性というものは、特に三四郎のような、田舎から都会に出てきたうぶな青年は、若く美しく垢抜てミステリアスな美禰子さんのような女性に心惹かれるものですよね。初恋の典型的なパターンで、平成の現代も変りません。えー、主人公--三四郎君も、このどこか謎めいた雰囲気の女性に次第に惹かれていきます。が、美禰子さんは、三四郎に近づいてはまた遠ざかるという思わせぶりな態度を繰り返し、三四郎の心を悩ませた挙句、最後は別の男性と結婚してしまいます。
ちなみに、このヒロイン美禰子のモデルは、「平塚らいてう」であったといわれています。この「平塚らいてう」は、お若い頃の写真を見ても大変美しい女性で、漱石の弟子森田草平と謎の心中未遂を起こしたりした大変情熱的な女性でしたが、その後、日本女性の社会的地位向上のために大きな貢献をされました。また、当時としては非常に非常に進んだ考えの女性で、自由恋愛を主張し、ご自分でも、年下の画家--奥村博史(ひろし)と、婚姻の手続を踏まない共同生活(いわゆる同棲ですね)同棲を実行され、大きなスキャンダラスな話題となりました。えー皆さん、「若いツバメ」という言葉をご存知ですよね。また、全くの余談になりますが、この時の「らいてう」さんの同性相手の奥村博史が、彼女と別れる際、書き残した手紙に「若いツバメ」という言葉を使いました。「自分のような『若いツバメ』がいては貴女に迷惑がかかるので私は身を引きます」といったような内容です。その後、この『若いツバメ』という言葉は、「年上のお金持ちの女性、どちらかと言うと水商売の女性のイメージですね。そういう方が、若い男性の面倒を見る」といったような時に、平成の今の時代でも、よく使われています。

(・・・次号へつづく)


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さて今回の「阪急お客さま新聞」はいかがでしたか?

私は国内出張で飛行機に乗る機会が多いのですが、飛行機到着直後に機内で客室乗務員の方が搭乗のお礼とちょっとしたコメントをアナウンスされますよね。
昨日、大阪から東京へ飛ぶ最終便の中でこんな話をされていました。

「・・・6月に入りまして紫陽花の咲く季節となりました。梅雨の時期なのに水無月とは何やらおかしな話ですが、今年は水不足の地域もあるようでございます。
そう考えますと鬱陶しい雨も「恵みの雨」と言えるのかもしれません。皆さま、どうぞ体調など崩されませんようお元気にお過ごしください。本日はご搭乗いただき誠にありがとうございました。」


決して流暢な話し方ではなかったのですが、業務出張で疲れた私の体がほんわかとなるような心地よいコメントでした。
話す内容は、きっと会社で決められた台本通りのものではなく、話す本人が内容を考えるのだと思いますが、お客さまのことを思い遣って考えたことがわかります。

私も日常業務に追いまくられながらも、お客さまに対して感謝と思いやりの気持ちを忘れないようにしようと思いを新たにしました。

さあ 不景気、新型インフルエンザの不安感からもようやく光が見えて来ているように感じます。

深い谷を越えると必ず登り坂となり、目の前には美しい山が見えてきます。
疲れたら休んでいい、水を飲んでもいい、後ろを振り返ってもいい、でも常に前を向いて一歩づつ長い旅路を歩き続けていたいものです。
一歩づつでも歩き続けていけば必ず頂上に近づいていけるのですから。

それでは又 次回 お会いしましょう。
みなさん お元気で!


「阪急交通社お客さま新聞編集部」
田中 慎二

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