みなさんこんにちは!1ヶ月のごぶさたです。
おげんきでしたか?


7月初旬に英国のグレンイーグルスでサミットが行われましたね。
これはあくまでうわさで本当かどうかの真偽は定かではないのですが、
ヨーロッパでは泥棒たちが集まるサミットがあるってご存知でしたか?

イタリアにいる時に現地の人から聞いた話です。

何年かに1回、ヨーロッパの中のどこかの国にヨーロッパ中の泥棒、
ジプシーたちが集まってくる。そこでは「いついつどこどこで○○という
イベントが行われるらしい。」という情報交換が行われるそうなのです。
なぜかというと、そういうイベントには多くの観光客、信者、関係者が押しよせてきます。
泥棒にとってまさにカモが集まってくるのです。
それを聞きつけた泥棒達は大挙して外国出張(?)して出稼ぎに行くというのです。
確かにヨーロッパには多くのジプシーや不法滞在者がいます。
そして何かのイベントがある時、例えば「ヴァチカンで新聖人のお披露目式」があるなどといった時には、そういう怪しい人達の数が格段に増えるのです。
ヨーロッパは地続きですから移動が比較的簡単なんですね。
みなさん大きなイベントがある時の観光は要注意ですよ。
「人を見たら泥棒と思え」ですよ。
イタリアの治安については、後半のイタリア話コーナーでお話しましょう。


前号からこちらからみなさんへご質問を投げかけました。
たくさんのお返事いただきありがとうございました。
大変おもしろいお答えが届きましたので、ご紹介しましょう。

質問 その1
<旅に出たいと思うのはどんな時ですか?>

・トラピックス倶楽部が届いた時

→うれしいお言葉です。ありがとうございます。

○家族のお祝いやご褒美の時、子供が受験の時、タイに行きました。
パタヤビーチで思いっきり遊んで帰ってからしっかり勉強させて合格した時には「ロマンチックスペシャル9日間」、旅の感動と合格の喜びでとっても幸せでした。
4年後、私たち夫婦は結婚二十五周年を迎えます。
これまでの生活を振り返り、お祝いし、折り返しのこれからの人生への活力にする為、旅行に行きたいと思っています。
今からどこへ行こうかと相談しています。又、そういう時間も私たち夫婦にとってとても楽しいひとときです。これも阪急交通社みなさんのおかげです。(Y・N様)


→旅行業に携わる人間としてお客様にこのようなことを言って
いただくことほどうれしいことはありません。こちらこそありがとうございます。


○何回海外旅行に行っても、先ず成田空港に行くといつもワクワクし、気持ちが子供のように高揚します。そして未だ見ぬ国の風土、ツアー仲間との楽しい食事などなど体力の続く限り続けたい。(I・N様)


→旅はまさに健康への特効薬ですね


○この質問ってナンセンス!
だってどんな時もこんな時もいつだって旅に出たい!
でも時間的経済的健康的事情もあってそうそう行けない。
うんとお金があって時間が自由に使えて体調がよければ1年中旅していたいって誰もが思うのでは?又、私は外国なら音楽に出てくるところに興味持っていてその場所に行きたい。
「エーゲ海の真珠」「カナダの夕陽」「アルハンブラの思い出」「アルルの女」「セビリアの理髪師」などは行きました。あと「コロラドの月」見てみたい、「マルタの砂」握ってみたい!「ホテルカリフォルニア」泊まってみたい!(M・I様)


→すごいですね。音楽はよりいっそう心にひびきますね。
イメージどおりだったかどうか又お聞かせくださいね


○六十歳定年まで一生懸命働きました。今は体力のある限り世界中を駆け巡りたい。(K・K様)


→今までの自分にご褒美をたくさんあげてくださいね


○空に飛行機が飛んでいるのを見た時「あーっ旅に出たいっ!」って思う(K・H様)


→この気持ち、よーくわかります。ここにジェットストリームのBGMが流れればもうノックダウンです。


○言い方が悪いのですが、海外旅行は麻薬のようです。
行きたいところは希望通りに回ったように思います。ところがなぜか又行ってみたいところを探してるんです。阪急から送られてくる旅行雑誌のせいでしょうか?
旅行は外国の素晴らしさ、文化、習慣を知ることができ、感動もひとしおです。
だから又行きたくなるんです。そして日本の良さを改めて知るのです。
日本人の気質、気配り習慣、どれをとっても日本人で良かった!
日本で生活できることに大満足の私です。とはいえ、海外旅行への魅力は増すばかりです。(T・U様)


→完全に中毒ですね。残念ですがもう一生抜け出せないでしょう。
覚悟してくださいね(笑)


○私にとって旅は非日常なものではない。したがって常に出たいのです。
好奇心が強い私は見てみたい、聞いてみたい乗ってみたいものばかり。
旅は私の将来に対する投資です。(七十七歳になっても)知識、感性が磨かれ自分自身が内容的に豊かになった気分になります。旅に出ると人生は愉しい、生きていてよかったとつくづく思います。(K・O様)


→いつもお便りありがとうございます。生きる喜び、証、はりあいを
もたらしてくれる旅はすばらしいパワーを引き出してくれますね。


○金婚式も過ぎた私たちは静かに人生を送っている。
その中で私(七十九歳)は妻(七十二歳)にいたわられ、大事にされていると感じた時むしょうに彼女と手をとりあって遠くへ行ってみたくなる。(A・K様)


→すばらしいご夫婦ですね。夫婦の理想形だと思います。これからも仲良く旅にお出かけくださいね


○「どんな時、旅に出たいか」「旅に何を求めるか」この質問に対して考えてみたが、あまりもっともらしい答えが見つからない。
美しい景色やおいしいものももちろん楽しみだが、それを求めて旅に出かけるかどうか正直よくわからない。
私にとって旅行はただの中毒現象のような気がする。
旅行に行けば、それなりに「良かったなあ」とは思うが、「ものすごく感動した」というほどではない。それでいて帰りの飛行機の中で「さて、次はどこへ行くか」などと考えているのは、煙草や酒の中毒に似ているようだ。
旅行に行かなかったら、ベンツの一台や二台買えたかもしれないが、何も形に残らない旅行に使ったことを後悔する気はさらさらない。(N・S様)


→ここにも中毒患者が・・・お気の毒ですが、旅とは一生のつきあいと思っていただくしかないようですね(笑)


質問 その2
<旅にどんなことを求めますか?>

○私、外国で図々しく日本語で通します。臆せず話しかけてみます。
お互いチンプンカンプン、とても楽しいです。心は通じるものです。
そしてニコニコ、バーイします。
どこの国の人もみいんなとってもいい人ばかり。そんな時、「旅っていいナ」って思います。
お客様新聞読者だけでも「ありがとう!」と言えるようにしましょうよ。
日本語でもいい。できれば旅に出る前にその国のありがとうという言葉だけは勉強していきましょう。(M・I様)


→これ僕も賛成です。
「ありがとう!」と言うことによって言われた方はもちろんですが、
言った本人も気持ちよくなりますよね。心が豊かになります。
イタリア人は素直にさらりとお礼を相手に伝えるのが上手ですよ。
                                  

○自然の風景はなんといっても感動的、心を癒してくれます。
空、海、山、緑・・・この地球という素晴らしい星が永遠に続きますように願いを込めて旅したい。(K・K様)


→旅が世界平和と繁栄の手助けとなる、いいですね。
母なる地球に感謝し、これからも旅にお出かけくださいね。


○旅は人生の貯蓄だと思っています。今、現在銀行に預けてもわずかばかりの利子、それより生きている元気な時旅行して見聞を広めた方が良いと考えています。(H・W様)


→お金と余裕があればやりたいこと第一位は「旅行」だそうです。
形に残らなくても旅が自分にもたらしてくれる財産はどんなに
美しい宝石だってかないませんよね。
人生が終わった時、天国に持っていけるのは「経験」と「感動」のみ。
それがどれだけ自分の中にあるかが人間としての価値かもしれませんね。


○視野を広めたいことと体力を維持できたら最高です。旅に出ると足、腰が丈夫になると思いますので・・・たくさんの方と出逢えたらいいですね。(Y・I様)


→旅行に出かけると健康になるとよくいわれます。
医学的にも証明されているようです。やっぱり旅って素晴らしいですね。


今月の皆さんへの質問です。
*「こんな旅があればいいな!」
*「自分が旅行会社の社員だったらこんな旅行を作りたい」
*「今まで行った中で一番印象に残っている場所」
 を教えてください。
どしどしお送りください お待ちしてまーす!

続いて「ないしょ話—その4」への感想紹介コーナーです。
今回もたくさんのお客さまからお手紙をいただきました。
「お客さま新聞」もずいぶん浸透してきたようでうれしい限りです。


○私のミラノ地下鉄体験
ミラノの地下鉄は3路線で、色で分けられているので分りやすく、駅名も短くイタリア語だけでも大丈夫です。乗ったM3号線は電車もホームも天井もゴミ箱も黄色で統一されていて安心でした。
車内には日本人はほとんど見ず、ちょっとした冒険気分。
チケットは自動販売機で買い、改札も自動。共通券だったので
帰国後今も取ってあります。私だけの旅の思い出です。(Y・I様)


→こういう“ちょっとした冒険“って楽しいんですよね、自分から積極的に動くと旅の楽しみはどんどん広がります。伊垣さんだけの宝物っていうお気持ちよくわかります。


○毎月届くお客さま新聞とても楽しみにしています。
今日もポストに入っていたので持って出かけ、今仕事中ですが、面白くて一気に最後まで読んでしまいました。(Y・N様)


→お仕事中にも関わらず読んでいただいてありがとうございました。
お仕事に支障はなかったでしょうか?


○六十六歳と五十六歳の夫婦です。
結婚を親に反対されたので、三十数年前ハワイで結婚式をあげました。
子供にきれいな海を見せたくて、グアムのココス島に宿泊。
仕事人間の主人が定年退職した時、2日後にはエーゲ海上にいました。(阪急のギリシャ南イタリア8日間)そして秋にはカナダの紅葉。
そして年1回の海外旅行が定着しました。
今は旅行に行くと1番年齢の高い方のお話を聞かせてもらい動きを拝見させてもらっています。それは主人といくつまでどのあたりまで旅行に行けるのか。
飛行機やバス移動が苦痛と感じられるようになったら船旅を考えています。
主人は海釣りが趣味なので普段から体力をつけていますが、最近私の方が太って「あれっ」って感じなので、半年前に行き先を決めたら“安くて日程がきつそうな日帰りバスツアー”で体を慣らし、体調管理しています。今年の冬はフランスを予約しました。
クリスマスイルミネーションを楽しみにしています。阪急さんは雰囲気が優しいから好きです。(匿名希望)


→「安くて行程がキツそうな日帰りバスツアーで体を慣らして」ってうれしいような複雑な気持ちですが・・・ともあれ色々なパターンでご利用いただきありがとうございます。


○カラーに盛りだくさんの雑誌でどこを見るかと言えば、自分の行きたい国の日程と料金だけというのが本音です。他にはほとんど目を通さず次号を待ちます。
「社員のないしょ話—その4」も一気に読み終えました。
「うんうんバスタブのお湯、そうだったナ〜」
二〇〇〇年の大聖年の時、バスの乗り入れが禁止され、ほとんど徒歩で観光しました。暑がりの私は扇子を手放さず、一日中パタパタ。そうしたらガイドさんが「イタリアでは男性が扇子を使うとオカマに見られるんですよ」
昔の日本は男性も扇子を使っていましたが、今はその習慣が薄れてきててよかったですね。でなければ“オカマツアー”でしたもの(E・I様)


→これは僕も知らなかった面白情報です。ありがとうございました
ところでイタリアってけっこう“オカマちゃん“多いんですよ


○ヨーロッパの食事は私の口に合わないのですが、イタリア・スペインは別でとっても美味しかったです。特にイタリアのバール(カフェ)で飲むエスプレッソコーヒーはストレート党の私も地元に習って砂糖を入れて飲んだ所、味も香りも絶品。
ぜひみなさんも試してみてください。
イタリアでは立ち飲みとテーブルで飲むのに値段が違うので注意が必要です。(Y・E様)


→イタリアではコーヒーをブラックで飲む人は少ないんですよね。
僕も日本ではブラック党ですが、イタリアでは砂糖を入れて飲んでました。
その方がコーヒー豆の持つコクと旨みが増すんです。ぜひお試しください


○さくらの花びら以来、スタッフの方々の熱意がひしひしと伝わり、筆不精の私がペンをとらずにはいられない気持ちにかられて初めてお便りします。(本当に生まれて初めてですよ)ないしょ話、イタリア話とても楽しく拝見しました。
1年半前、イタリアに行きました。観るもの聞くものすべて感動の連続でした。
イタリアの余韻に今も浸っています。がとてもハードな旅で足の豆は潰れるし便秘はするし、後半食欲は無くなるしさんざんでした。
体力の限界を感じ、海外はイタリアで終わりかな・・・と思って
いましたが近頃、むずむずと旅の虫が動き始めてしきりと「カナダ」の資料を集めています。
「中高年向きで連泊、1週間くらいの短い旅」を探していますがなかなか見つかりません。若者向けのてんこ盛りで格安ツアーはたくさんありますが・・・阪急さんはそこが売りかもしれませんね。
スタッフのみなさん、がんばり過ぎないで、肩の力を抜いて続けてくださいね
便りは出さずとも優しく見守っている田舎のおばあちゃんがいることを頭の片すみにとどめておいてくださいね(K・I様)


→静かに見守ってくださるお客さまがいらっしゃる・・・これも
私たちにとって勇気百倍のエール(応援)です。ご期待に沿える
ようこれからも精進して参ります。


○すっかり愛読者になってしまいました。
待ちに待った第4号、毎回楽しいエピソードや体験談ありがとうございます。
ビデの疲労回復法、次回の旅行ではさっそく試してみようと思います。
添乗員さんの書く「旅日記」と「お客さま新聞」と何か相通ずるものがあるような気がします。阪急という会社全体の温かいぬくもりのある体質が感じられます。
今後とも旅人のよきアドバイザーであり、心に残る旅の演出ができますようよろしくお願いいたします。“心に届く旅!”とっても響きのよい言葉だと思います。


→ありがとうございます。皆さんの心の奥深くまで届く旅をご提案
して行きたいと思っています。


○第一号から楽しく読ませてもらっています。
語りかけるような文章が大好きで引き込まれるようです。
お客さま新聞を手にしたらなにはともあれ一気に読んでしまいます。
毎号読むたびに益々イタリアのファンになります。(A・O様)


→イタリアは奥が深いですからね。これからもどんどんイタリアの
魅力をお伝えしていきますよ


○私は田舎町に住んでいる主婦です。
1日中草取りや畑仕事で疲れた夜のひとときに「お客さま新聞」を読むのが楽しみです。(匿名希望)


→田舎の母のことを思い出しました。つたない文章が疲れた身体と心を癒す手助けになっているとしたら本望です。


たくさんのお手紙をいただいておりますが、大変申し訳ございません。
力不足ですべての質問に個別にお応えすることができません。
極力誌面を通じお応えしていきますので、どうかご了承ください。

それでは連載中のイタリア話にまいりましょう。

<美術館の楽しみ方、教会の味わい方>

正直、僕は美術館や博物館というものが苦手でした。
2時間鑑賞時間があっても20分くらいで見終えてそそくさと休憩するタイプです。
世界的な名画と言っても全然良さがわからないのです。
「遠近法?印象派?ここの技法が・・・なんていってもわかんないよ」
結構、こういうタイプの人多いんじゃないでしょうか?
でも僕はある時から美術館が好きになっていったのです。

それは現地のガイドさんの言葉がきっかけでした。
「遠近法がどうとかなんてどうでもいいのよ。美術を勉強している人じゃ
なければ興味ないでしょ?
それよりもその絵を見た直感を大切にすればいいのよ
例えば絵を見て「なんか落ち着くなあ」とか「吸い込まれるような感じ
だな」とか「優しい感じがするなあ」つまり「この絵なんか好きだなあ」っていうものに出逢えたらそれは幸せなことなのよ。あとね、できればそれを描いた画家の性格や人生、エピソードなんかを予習しておくとぐっとその絵を身近かに感じるようになるわよ。
例えばウフィッツイ美術館の“ヴィーナス誕生”や“春”を書いたボッティチェッリ。
彼のタッチを見ると女性的で繊細な感じがするでしょう?でも実際には豪放闊達な人でメディチ家の豪華王ロレンツオと一緒にルネサンスの贅を謳歌したそうよ、でもその後狂心的な怪僧サヴォナローラに心酔し、贅沢をした自分を悔い、自分の書いた絵の多くを燃やしてしまったんですって。こんな話聞いてると画家自身に興味が湧いてこない?」

この話を聞いた時、肩の力が抜けたっていうか、今まで小学校の社会見学のように感じていた美術鑑賞がとっても身近に感じるようになったのです。

ちなみにイタリアの絵画で僕が一番好きなのは、ツアーではあまり行かないのですが、フィレンツエのサンマルコ美術館にある「フラアンジェリコの受胎告知」です。
ダビンチやラファエッロよりずっと前の人なのですが、僧侶だった彼は絵を描く前、祈りを捧げてから筆をとったそうです。
決して派手ではなく、芸術的価値もその後のルネッサンス画家達のそれに比べると劣るのですが、見た印象が優しくて、柔らかくて、控えめで、すがすがしい。その場にたたずんで、じっといつまでも見ていたいと思える絵なんです。

又、教会にも似たようなことが言えます。

フィレンツエで住んでいたアパートはサンタクローチェ教会の裏でした。
その教会は朝が特にいいんです。
祭壇の後ろのステンドグラスから朝日が差し込む、キラキラと幾重にも色の魔術をおりなし、一条の光は神が天から降りてくるような錯覚さえおこします。
静寂の中、僕は椅子に座って力を抜き、自分のこころの音(声)に耳を傾けます。
気がつけば30分くらい経ってしまっている。精神は安らかに落ち着いていて、感性がとぎすまされていくのがわかる。
ストレスが溶けていく・・・
こころと身体を浄水器にかけたような感覚(なんと俗っぽい表現!)
それも日本の日常ではなかなか味わえないかけがえのない体験でした。
観光や食事や買い物だけが旅行の楽しみじゃありません。
ヨーロッパには「ホンモノ」がたくさんあるんです。
心で感じてください。とっても心が豊かになりますよ。

<イタリアの治安>
○N・Kさんからのご質問です。
「イタリアの治安について教えてください」

冒頭でもお話しましたがイタリアの治安は決してよくありません。
スリ、かっぱらい、置き引きなど日常茶飯事です。
残念ながらホテル内での盗難もけっこうしてあります。
警察もスリなどの軽犯罪は数が多くていちいち取り締まっていられないのでほとんど相手にしません。
でも殺人などの凶悪犯罪は少ないです。
イタリア人がいいます。「日本は凶悪犯罪が多くてとても怖い国だ」と。
ニュースで日本の凶悪犯罪を見ているからなんです。

イタリアも南部ではマフィアの抗争などもありますが、一般人にはほとんど見えません。
結論をいうとイタリアではスリ、置き引きに気をつけていればまずは大丈夫です。
空港、ホテル内、観光地、レストラン、悪い輩はいたる所で獲物を狙っています。
僕も何度か少女のジプシー達(イタリア語ではジンガロ)に囲まれたことがあります。
新聞をかぶせてポケットに手を伸ばす。手品師のように鮮やかな手つきでものすごい早業でした。
幸い貴重品はもっていなかったので、被害もなく追っ払いましたが、彼女たちまったく悪びれた様子がないのです。
笑いながら堂々と逃げていく。これには僕もびっくりしました。

日本人は「人のものを取ってはいけません」と道徳教育を受けてきました。
又、日本人であれば人のものを盗む時は後ろめたさを感じるのが普通の感覚だと思います。
しかし残念ながらジプシー達にそういう感覚を求めるのは無理です。
日本の常識は通用しません。彼女らは悪いことをしたとは思ってません。
教育が違います。育った環境が違います。
日本人から見る当たり前の常識で彼らに接することは無理です。

彼らにも生きる為には止むをえないという事情もあります。
ですが、同情は禁物です。毅然とした態度で接しましょう。はっきり「ノー」と。
イタリアでの泥棒対策は2つです。ひとつは「自分の身は自分で守る」
もうひとつは「備えあれば憂いなし」です。貴重品は持ち歩かない
女性はショルダーバッグは避けた方が良いでしょう。
男性のウエストポーチ、あれはやめたほうが良いです。
ドロボーに「ここに財布が入ってますよ」と親切に教えるようなものです。
日本人はやはり隙だらけです。ドロボーからするとまさにカモネギです。
貴重品ホルダー(腹巻きタイプや首からかけるものなどが売ってますね)に入れて肌身につけておくことが一番安全です。僕もそうしていました。

忘れ物もいったん自分の手を離れたら戻ってこないと覚悟したら良いでしょう。
バス車中、レストラン、ホテル部屋内に忘れて、しばらくして思い出し、探しても出てこないケースの方が多いです。
日本であれば善意の人も多い(最近そうでもないですか?)ですが、イタリアではそれを期待することは難しいです。「うっかり忘れる方が悪い」という論法になります。
添乗員もさんざん「忘れ物はございませんか?」と注意喚起していますが、そういう事情もあるからなのです。くれぐれも忘れ物にはご注意くださいね。
ちなみにこれイタリアに限らず日本以外の外国では大体同じようなことが言えると思います。

それだけ日本は同じ常識を持った民族だけの安全な国なのです。
外国がおかしいのではなく、日本が特別なのです。