阪急交通社お客さま新聞

皆さまこんにちは!「旅するOLあきーた」です!
もう師走・・クリスマス、大掃除、忘年会、年賀状準備・・など12月は毎年一番慌ただしい時期ですが、皆さま体調管理にはくれぐれもお気を付けくださいね。

さて、前回のエミールさんに続けとばかりに、私、イタリアに添乗に行ってまいりました♪


今回のコースは「イタリア8日間」、ミラノ→ベローナ→ヴェニス→フィレンツェ→ローマという、イタリアの主要観光地を無駄なくぐるっとまわるコースです。
観光レポートとともに、せっかくなので添乗業務のちょっとした裏方話もさせていただきま〜す。
※写真撮影は、添乗業務の合間に撮影したものなので、あまり綺麗にはとれませんでしたがご容赦ください。

成田空港にて39名のお客様の受付をすませ、さあ出発〜。
今回のお客様、「イタリア8日間で11万円台だったから、思わず申し込んでしまったわ」というお客様が多く、「阪急初めて利用します」「海外旅行初めて・・」などなど、新聞広告の募集をきっかけに集まった様々なお客様が8日間の道中を楽しく過ごし、最後に笑顔で成田空港へ戻ってきていただけるよう、添乗員は最善の努力と誠意をもって旅の演出をしなければなりません。
何より大事なこと・・それはお客様のお名前とお顔はできるだけ早めに完璧に覚えること、です。

イタリアと日本は時差8時間(サマータイム時は7時間)です。
搭乗後、すぐに腕時計の時間をイタリア時間に変更し、日本時間は忘れます。
私、時差ボケにほとんどならないのですが、そのコツは現地の時間を意識することにあると思っています。「日本は今頃夕ごはんだわ・・・」などと時間を考えると、とたんに体が日本を向いてしまうような気がして、海外滞在中は極力日本を思い出しません。
添乗中は、朝5〜6時台の起床となりますが、今回は夜は日本にいるときより早く眠ることができたので朝から元気いっぱい!です♪

●2日目:ミラノ→ベローナ
ボンジョルノー!(おはようございます)
バスでの第一声は必ずイタリア語でご挨拶!大変ノリのよいお客様、反応はバッチリです。

When you are in Rome,do as the Romans do.
(郷に入れば郷に従え)
多少、シャワーのお湯の出が悪かったとしても、トイレの便器がなかったとしても、レストランでお水が有料だったとしても、ここは日本ではない外国。
日本の現実を離れ、ゆっくり時が流れる異国で、余裕がある大きな気持ちで楽しみましょう☆

イタリア観光のはじまりは、ゴシック建築の最高傑作ドゥオモからです!
ミラノっ子の待ち合わせスポットでもあるドゥオモ、修復もようやく終わりその全貌は圧巻でした。

ミラノのドゥオモ /ミラノのドゥオモ

階段もしくはエレベーターで屋上まで登ることができます。

お客様のフリータイム中、ミラノを象徴する美しいアーチ型ガラス天井のガッレリアのカフェで、打ち合わせ兼ねて他バスの添乗員らとおいし〜い「カプチーノ」をいただきました。
ふわふわの泡は細かくてとってもなめらか、至福の時を運んでくれるひとときです♪

バスで約3時間、次に向かう地はイタリア北部の中心にある、ロミオとジュリエットの街として有名なベローナです。
色とりどりの屋根に細かい路地が続き、とっても可愛らしい町です。

ジュリエットの家のモデルともなった家の入口にはジュリエット像がありその胸に触ると幸せになるとのことで、たくさんの観光客が殺到していました。
男性の方もちょっぴり恥ずかしがりながら、しっかりタッチされていました!
(私は業務中につきお客様の写真撮影に没頭。)

夕暮れのベローナは建物がライトアップされて、とってもロマンチックな雰囲気に包まれます。

ベローナ /ベローナの町

写真は円形の大競技場の「アリーナ」で、夏は野外オペラもやっています。
オペラの日はベローナ市内のホテルはなかなか予約がとれないそうですよ。

ベローナのアリーナ /ベローナのアリーナ

●3日目:ヴェネチア
バスは途中降車し、水の都ヴェネチアへは水上バスで向かいます。
写真は12世紀に建造されたアーケードに囲まれたサンマルコ広場です。
サン・マルコ寺院、ドゥカーレ宮殿、新政庁に囲まれ、まわりはバールやレストランがあり世界中の観光客がやってくるスポットですね。
日本人はスリのターゲットにされるので要注意の場所でもあります。

サンマルコ広場 /サンマルコ広場

このヴェネチア、日本でもニュースでよく見る観光地ですよね。
季節風と低気圧の影響で高潮がおき、冠水被害が頻発していますが、つい先日もサンマルコ広場を含む街の45%が冠水いたと報道されていました。

そして定番のゴンドラに乗りました!(このツアーではオプショナル)

ベネチアのゴンドラ /ゴンドラ

くねくねと曲がりくねった細い運河を、小さな橋を何度も通り抜けながら船頭さんが巧みにゴンドラをこいでくれます。
途中で歌い手の船もやってきて、運河の上でプチコンサート、音楽が旅を盛り上げます!

ランチは名物料理の「イカスミパスタ」。

イカスミのパスタ

薄味だったので、苦手な方も召し上がりやすい味付けだったと思います。日本人向けのお味かな。
ツアーで行くレストランの多くは、日本人のお客様をよく相手にされているので、日本語メニューもありサービスも早い!イタリア人、日本のスピードにあわせるべく、かなりがんばってくれていました!

添乗員は、お客様の最初のドリンクオーダーがテーブルに届いてから、自分の食事をいただきますが、お客様の食事が終わるまでにトイレをすませておくことが重要。イタリアは無料の公衆トイレがなかなかないのです。

●4日目:フィレンツェ
フィレンツェの町を見渡せる「ミケランジェロ広場」。
お客様からいっせいに「おぉ〜!きれいね〜!」「これを楽しみにしていたんだ」と感嘆の声があがります。雲の合間から日差しがそそぎ、それはもう、芸術に近い情景でした。

フィレンツェの街並  /ミケランジェロ広場からフィレンツェの街並

本も映画も大ヒットした「冷静と情熱のあいだ」で竹野内豊とケリーチャンが愛を誓った、花の聖母教会ドゥオーモのクーポラはひときわ目立ちます。
「あの映画の場所よねっ」お客様から興奮の声も。帰国したら私ももう一度映画を見てみようかな。

フィレンツェは見どころいっぱいの観光地ですね。今回のツアーには入っていませんが、「ウフィッツィ美術館」ミケランジェロの「ダヴィデ像」で有名な「アカデミア美術館」をはじめ、ドゥオーモのクーポラも464段登ればフィレンツェを見渡せます。(月曜日は美術館がお休みなので注意)
そう、イタリアは何かと歩きます。たくさん食べたイタリアンを充分消化する運動量、歩きやすい靴が必須です。この日、万歩計をつけていたお客様は約15,000歩歩かれたそうです。

午後からはオプショナルツアーでピサの斜塔に行きました。

ピサの斜塔 /ピサの斜塔

この斜塔は現在も傾いているため人数制限がありなかなか登れないのですが、冬の時期、しかも平日だったことで当日券がお客様全員分残っており、皆さまとともに私も登頂しました!お客様も大興奮。
階段もあきらかに傾いているのでちょっぴり怖い・・。斜塔上からの眺めです。

ピサの斜塔からの眺め /ピサの斜塔からの眺め

●5日目:ローマ
バスで約4時間、いよいよイタリアの首都であるローマに入ります。

写真は、世界最小の国「バチカン市国」、世界のカトリック信仰の中心であるサンピエトロ寺院です。

サンピエトロ寺院  /サンピエトロ寺院

イタリアはカトリック信仰ですので、クリスマスのイルミネーションも日本と比べると少ないですね。

トレビの泉 /トレビの泉

トレビの泉ではコインを投げるのがおきまり。
コイン1枚を投げると再びローマに来るといわれ、2枚投げると大切な人と永遠に一緒にいることができるといわれ、3枚投げるとなると切りたい縁を切ることができるといわれます。
このスポット、スリが本当に多いので本当に要注意。コインを投げること、写真撮影に気をとられて大切なものを奪われないように!(私は業務中につきコインは投げられず・・)
フリーの時間に、お客様と一緒に美味し〜いジェラートをいただきました。
イタリアのジェラートは安いのにてんこ盛りで本当に大好き。
お客様から「あなたは本当によく食べるねぇ〜」と感心されました。
はい、私、イタリア添乗後に1kg以上太りました・・・よく動いていたのにっ、あれれれ。

●6日目:ナポリ&ポンペイ
オプショナルツアーで、ナポリ&ポンペイへ。
オプショナルを申し込まれないお客様は終日自由行動です。

サンタルチア〜♪かの有名な音楽を聞き(鼻歌はお約束)ながらナポリの車窓観光を楽しみました。
建物と建物の間の路地に干された洗濯物など、景観にうるさい他の都市では見られなかった絵葉書のような一面は、今までのイタリアとはちょっと違った光景です。

次に訪れるは、火山灰の下に立つポンペイ遺跡観光です。

ポンペイ /ポンペイ遺跡

とにかく広いこの遺跡、観光で訪れる場所はほんの一部にすぎません。
本気でまわるなら軽く一日はかかります。
とりわけ観光スポットとして訪れる人が多いのは、「ルパナーレ(売春宿)」だそうです。。
この時はすいていたので入りましたが、入口もひっそりして、中は石のベットがあるだけ。壁には行為中の様子を描いたフレスコ画が・・!
2000年前のローマ人の暮らしですが、古代といっても驚くべき生活レベルの高さを実感できるポンペイはオススメの観光スポットです。

すっかり長くなってしまいましたが、これでイタリア8日間のツアーは終了です。
事故もなくスリにもあわず、天気にも恵まれ、渋滞にもほとんど巻き込まれず、お客様のご協力のおかげもあって、39名様、無事成田空港に戻ることができました。
一度見た景色でもお客様と一緒に「わぁ〜すご〜い!」っと感動し、感想や率直なご意見をお聞きすることは私たちにとって貴重な機会です。
成田空港のスーツケースのターンテーブルの横で「終わったなぁ、良かった・・」とほっとしていると、「本当に楽しかった、ありがとう」「また阪急さん利用するよ、いい企画してね」などと、ありがたいお言葉をたくさんいただき疲れは一気にふっとびました!

年末年始にご旅行の予定がある方は、ぜひよい旅を☆
また、来年皆さまにとって素敵な「旅」の出会いがありますよう心から願っております。
よいお年をお迎えください。

Ci vediamo(チ ヴェディアーモ)=また会いましょう!

今回添乗したツアーはこちら。名物料理を含む全食事つきで驚きの価格でご案内。
大好評につき3月出発も登場しました。
★全食事付!イタリア8日間(関東発)
https://www.hankyu-travel.com/tour/detail_i.php?p_course_id=ET217J&p_hei=10

★イタリア旅行・ツアーを探すならこちら
https://www.hankyu-travel.com/italy/


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江戸・東京を旅しよう
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「明治時代、文学の足跡を辿るたび」〈11〉
〜漱石・鴎外・一葉の東京と作品を訪ねて〜


■観潮楼(現在改修中、庭園のみ日曜公開中)
さて、団子坂を上り切った道の左側、「本郷図書館 鴎外記念室」に着きました。森鴎外は、明治25年から亡くなるまで約30年間、ここ千駄木のこの家で生涯を過ごしました。当時は、今のように周りに高い建物もなく、ここから上野の山や東京湾なども眺めることができたそうです。先ほど無縁坂にまいりましたが、無縁坂を舞台とした「雁」の他、「青年」「安部一族」「山椒大夫」等の名作がこの家で執筆されたのでございます。

鴎外記念室
↑鴎外記念室(入口)

鴎外記念室(庭園)
↑鴎外記念室の庭

また、鴎外は、45歳の時、この家を一種のサロンとして開放し、「観潮楼歌会」という歌会を始め、そこには石川啄木、与謝野寛、伊藤佐千夫、斉藤茂吉など多くの文学者が集いました。
森鴎外は、日本人特有の親分子分の上下関係を好まず、西洋でのサロンのような自由な雰囲気で芸術論を話し合うがことが好きな人でした。これは若き日のドイツ留学の影響もあるのでしょうが、日本人だけでなく、韓国人、中国人も、儒教の影響なのか、親分子分、先輩後輩の関係が好きですよねー。そういった意味では、鴎外は進歩的、欧米的なインテリだったことは間違いありませんが、東アジアの村社会では、ちょっと付き合い辛いひとだったのでしょうねえ。

■お茶漬けとビール
それでは、森鴎外のちょっとしたエピソードをさせていただきます。
潔癖症で果物も野菜も、決して生では食べなかったという鴎外の意外な好物が、「饅頭茶漬け」というお茶漬けです。厳格でかなり怖い感じの鴎外が「饅頭茶漬け」を美味しそうに食している姿を想像すると何かちょっとほっとしますよね。また、何度もお話したように、鴎外はドイツに留学しています。そして、ドイツと言えば、皆さん、何が思い浮かびますか?そう、ビールですね。ドイツにやってきた鴎外は驚きました。当時の日本でお酒といえば、仕事帰りに、小さなお猪口で飲む日本酒です。ところがドイツでは、昼と言わず夜と言わず、見たこともないような大きなジョッキでみんなビールを飲んでいます。けれども元来が酒好きで社交的な鴎外、たちどころにビールの虜になり、当時のドイツ大使に「森はビールを飲みすぎる」と言われたほどのビール飲みになったそうでございます。

■猫の家
さて、みなさん。この近所に、昔々、偶然にも、森鴎外と夏目漱石の二人が住んだことの在る屋敷跡があるのです。ちょっと行ってみましょう。と、歩くこと10分、ここが、夏目漱石が、一時期暮らしていた通称『猫の家』と呼ばれる住居跡です。漱石はここに、イギリス留学から帰国後の1903年から1906年まで住んでいました。『猫の家』のいわれは、ここに、処女作『我輩は猫である』の舞台となった家があったからで、漱石は、講師として、ここから、東京大学英文科・第一高等学校に通い、『我輩は猫である』以外にも、『倫敦塔』『坊ちゃん』『草枕』といった名作を次々に発表していきました。
 

猫の家   猫の家

また、先ほども言いましたが、全く偶然にも、漱石が住む約10年前の1年間、森鴎外がこの家に住んでいたことがあるのでございます。
ですから、ここは、日本の文学にとっては歴史的な家といえますよね。
でも本当に残念ながら、家そのものは、愛知県犬山市にある「明治村」に移されてしまったのでございます。

(・・・次号へつづく)

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最後までお読みいただきありがとうございました!
少々早いですが、皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
2010年も阪急交通社をよろしくお願いいたします。

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