DJココロとクマ吉ディレクターです!
阪急交通社がお届けする旅にまつわる人気ランキングをはじめ、
旬なトレンド情報を発信していきます。
左から伊知地亮さん、田中駿、久連松圭子さん
東京からブエノスアイレスへ、そこからアルゼンチン最南端の町ウシュアイアへ向かい、フランス・ポナン社のクルーズ客船「ル・ボレアル」に乗船して、1,000km離れた夏の南極へ――。そんな「南極ツアー」の人気が高まっています。
けれど、南極の観光スポットと言われてもほとんどの人がピンと来ないはず。そこで、毎年南極を訪れている伊知地亮さんと、2018年2月の南極ツアーに参加した同ツアー企画担当の田中駿さん、添乗員の久連松圭子さんの3人に集まってもらって、南極の見どころをランキング方式で教えてもらうことに。
南極の面白くて素晴らしいスポットをご紹介します!
伊知地 亮(いちぢ りょう)さん
2009年よりエクスペディション(探検)ガイドの職に就き、南極や北極など極地ツアーに携わる。南極を訪れるツアーに関して国内で最も詳しいスペシャリストの一人。2018年よりポナン社にて日本地区を担当するビジネスディベロップメントマネージャーに就任。
田中 駿(たなか しゅん)
阪急交通社「南極紀行 大自然感動体験16日間」ツアー企画担当。自身が企画したツアーに2018年2月に同行し、初めての南極を体験した。
久連松 圭子(くれまつ けいこ)さん
添乗歴20年以上、訪問国数90ヵ国以上のベテラン添乗員。田中氏と同じく、2018年2月の南極ツアーに添乗。南極は旅行添乗のプロにとっても憧れの地だったとのこと。
ここからはテーマ別に、南極ツアーで見られるかもしれない、体験できるかもしれないベスト3を挙げていきます。
「かもしれない」とは、南極では気象条件など偶然の要素によって立ち寄れる場所が変わり、「その日限定」の体験になる確率が高いためです(これもまた、南極ならではの魅力)。
なので、2018年2月に実施された南極ツアーでの印象に残ったスポットをメインとしたランキングになっています。
知られざる南極の世界。いつかは行ってみたい!と思っていただけると嬉しいです。
絶景が素晴らしい南極のスポットベスト3
まずは絶景スポットから。南極のほとんどの場所には青と白と茶色しか色がなく、けれども例えば青は空の青、氷の断面の青、海の青と全部違っていて、そのコントラストがとてもキレイ。そんな自然の中に、人間を警戒することを知らない動物たちが時折、姿を現します。
1位 パラダイス湾
南極半島の中でも「天国のような美しさ」と形容されるパラダイス湾。ツアーで訪れたときは海面が青い鏡のように輝いて、周囲の雪山が鮮やかに映り込んでいたとのこと。10人乗りのゾディアックボートでクルーズしているとたくさんのザトウクジラも現れて、すぐ近くで泳ぐ様子が見られたそうです。
久連松「クジラが何度も尾びれを見せながら、沈んでは浮かんでを繰り返してくれたんです。あの光景は、これまで私が見た中でも3本指に入るくらい素晴らしいものでした」
田中「湾は鏡張りのようになっていましたね」
伊知地「南極であんなに無風になるのは、1クルーズで1度あればいいくらいの確率。快晴で波が穏やかで、クジラもいて、すべてがそろった感じでしたね」
2位 ポートシャルコー
ポートシャルコーはその先が浅瀬になっているために、棚氷から流れてくるたくさんの氷山が座礁する場所。ツアーでは、真ん中がくり抜かれた巨大なアーチ型の氷山を発見! 自然が作り出した造形美を目の当たりにすることに。漂う氷の上やゾディアックボートの周囲にはアザラシも姿を見せ、南極らしい光景を楽しめる美しい湾だったそうです。
3位 ルメール海峡
地球上に存在する「最も美しい難所」とも言われるルメール海峡。全長11km、幅は一番狭いところで800m以下、両岸には頭上300mの岸壁が迫る荘厳な景色が堪能できるスポットです。ツアーでは早朝にクルーズ船が差し掛かると、ツアー客全員が前方デッキに出てその絶景を眺めていたとのこと。
田中「切り立った両岸の中を船が進んで行く様は、本当に圧巻でした」
久連松「ここでもミンククジラが現れました。それと、両脇の岸壁は白一色というわけではなく、ところどころ茶色い岩肌が見えていたのが印象的でした」
伊知地「ルメール海峡の両岸にあるような山は、傾斜が強すぎて積雪できないから地面が露出しています。南極大陸は98%が雪か氷に覆われているんですが、2%はこうした場所か、夏に雪が溶ける場所なんですよ」
「ペンギン」が見られる南極のスポットベスト3
お次はペンギンを見たいならここというスポット。ペンギンは決まった場所に繁殖用の営巣地を作って暮らしているので、出会える場所がわかっているのが特徴。
海岸に集まって誰が真っ先に飛び込むか逡巡しながら押し合いへし合いし、ついに1羽が落ちるとみんな一斉になだれ込むように海に入る、といった様子も目撃できます。
1位 ポートシャルコー
上陸もできるポートシャルコーは、自然に繁殖する3種類のペンギンが一緒に暮らす特別なスポット。ジェンツーペンギン、アゴヒゲペンギン、アデリーペンギンが営巣していて、ペンギンが営巣地と海岸の間を歩くために踏み固めてできる「ペンギンロード」と呼ばれる道を、まれに並んで歩く様子が見られます。
伊知地「ポートシャルコーは意外に知られていないペンギンを見るおすすめスポットなのです。3種類のペンギンそれぞれの道があるのですが、それが海岸近くで1本の道に合流する。そのため、ここでは運がよければ異なる種類のペンギンが一緒に歩いている姿を見ることができ、それは大変貴重な瞬間です」
田中「ここは私たちが参加したツアーでは上陸できなかったんですよね。見たかった!」
2位 ネコハーバー
2月のツアーで初めて一行が上陸したのがネコハーバーという小さな湾。陸に降り立つとそこかしこにペンギンがいて、「南極にはペンギンがびっくりするほどたくさんいることを初めて実感した場所」だったそう。ちなみにここに営巣しているのはジェンツーペンギン。
3位 どこでも!
ペンギンはどこにでもいるので、これが3位。ただし、ポートシャルコーを別にすれば、数種類のペンギンを一緒に見ることはほとんどなく、毎日違う種類のペンギンに遭遇して、順番に見ていくことになるそう。なお、ペンギンは別の種類同士でも、同種類内でも、決して仲はよくないらしいです。
「アザラシ」が見られる南極のスポットベスト3
アザラシも餌場がわかっていて、見られる場所が特定しやすい動物。よくいるのはヒョウアザラシとゾウアザラシとカニクイアザラシ。ウェッデルアザラシはどこかで見られたらラッキーとのこと。たまに海からゾディアックボートに乗り込んでくるアザラシもいるとか。
1位 シエルヴァコーブ
シエルヴァコーブは無数の氷山が海に浮かぶ小さな入江。海のギャングとも言われるヒョウアザラシがよく見られるスポットです。鋭い牙と大きな口を持つヒョウアザラシは、正面から見ると恐竜のようにも見えて、ときにはペンギンを食べることも。怖いイメージもありますが、伊知地さんが最も好きなアザラシとのことで1位に選出!
2位 ポータルポイント
ゾウアザラシが見たいなら、おすすめはこのポータルポイント。レクルス半島の北東部に位置する上陸可能な場所です。ツアーでは鼻水を垂らしたゾウアザラシが寝っ転がっていて、みんなが写真をたくさん撮っていたら、自分でも気になったのか前足(ヒレ?)で拭き取ってしまったとか。
久連松「寝そべっているゾウアザラシにちょっと近づいて、同じように寝そべって写真を撮る人もたくさんいましたよ」
伊知地「ゾウアザラシは赤ちゃんがとても可愛い。子供は鼻が飛び出していなくて、目がつぶらなんです。大人も含む可愛いランキングなら、個人的に1位はウェッデルアザラシ、2位はヒョウアザラシですね」
3位 パラダイス湾
絶景スポット1位に挙げたパラダイス湾は、カニクイアザラシが見られる場所でもあります。漂う氷の上にほぼ必ず乗っかっているとか。ちなみに、カニクイアザラシのエサはカニではなく、オキアミ。遠目には可愛くも見えるのですが、その歯は悪夢にでも出てきそうな恐ろしい形状をしています。
南極で体験した、奇跡の瞬間は!?
最後は、南極でしか見られない、もしくはツアーで印象に残った驚きの体験について、1人ずつコメントをいただきました。
紫色に輝く夜の南極(伊知地さん)
「真夏の南極は白夜です。それが夏も後半になると日がもっと傾いて、夜は太陽が地平線のすぐ下を移動するようになります。
すると空と氷が独特な紫色に輝くんです。夕焼けともまた違う幻想的な光景です。夜中になっても空は暗くはならず、朝にはそのまま夜が明けていきます。ツアーでもそんな紫色の南極を見られるはずです。ぜひ目撃していただきたい南極の姿の一つです」
ペンギンの赤ちゃんが!?(久連松さん)
「ブラウンブラフという場所の海岸で、春先に生まれたばかりの赤ちゃんペンギンが3mくらい先の小島に渡ろうとして、海に飛び込んだのを見たんです。
でも泳ぎが下手くそで、ジタバタしていて、氷の上にもなかなか上がれない。するとそこにヒョウアザラシが現れて、なんと小ペンギンをガブリ!そのあとその子を放り投げたり、海面に叩きつけたりして弄んで、最終的には食べてしまいました。ショックでしたが、自然界そのまんまの姿を見た思いでした」
ドレーク海峡の荒波で……(田中)
「ドレーク海峡を渡っているときに波が高くなって、船体にぶつかった波がクルーズ船のレセプション横の甲板を乗り越えてきたんです。しかも窓が開いていたから、私たちが座っていたところまで波が来て大変なことに!
あとで聞いたらドレーク海峡は世界一荒れる海で、あれくらいは普通なんだとか。船は最新のスタビライザーを備えているそうですが、それでも揺れる揺れる。初めての体験だったので相当びっくりしました」
最後に……改めて南極の魅力とは?
久連松「南極はとにかく誰もいないんですよ。それがお客様にとっては衝撃なんです」
田中「旅行会社関係者でも、ほとんどの人間は南極に行かないまま生涯を終えますからね(笑)」
伊知地「人工物も何もない。ありのままの地球を感じられる場所って言うと、南極がその最たるものなのかなという気がしますね。何度行っても、そのたびに感動できます」
昨シーズンは世界で3万8千人の観光客が南極を訪問。日本からは300~400人が参加したそうです。世界的にも南極ツアーは人気を集めていて、2021年までに南極クルーズ用の新しい船が、少なくとも25隻建造される予定とのこと。近い将来、南極を観光できるチャンスはさらに増えていきそうです。
そして今のうちであれば、ツアー客以外に人間がいなくて、手付かずのまっさらな自然が残る南極を存分に堪能できるでしょう。ありのままの地球を体感できる、そんな南極への旅を、あなたも楽しんでみてはいかがですか?
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