2019年2月24日出発ツアー添乗員レポート

※当レポートは現在募集中のツアーと内容が異なる場合がございます。

添乗員／木藤 久美子（きとう くみこ）

全国各地からお集まりいただいた9名様と一緒に、ベストシーズを迎えた「エジプト航空利用ナイル川クルーズを楽しむエジプト８日間」ツアーに行ってきました。毎日ナイル川が見えるお部屋に宿泊し、ゆとりあるコースで優雅に景色と歴史を満喫し、ゆったり流れる時間がなにより贅沢でご満足していただけたご様子でした。お料理も想像以上に安心して美味しく召し上がっていただけたかと思います。知識豊富なガイドさんの案内に興味と知識が深まり、事前知識と期待以上のスケールに圧倒され、過ぎてみるとあまりにあっという間でしたと、まだ名残惜しいお別れになりましたが、旅はいつまでも思い出として残り続けます。振り返るのにこの日記がお役にたてれば幸いです。

1日目

2月24日

成田空港にて、エジプトで流通している米ドル小額紙幣と千円札を多め用意。チェックインカウンターはオープン1時間前から列ができていました。ＡＮＡビジネスクラスラウンジで美味しい日本食とアルコールでお腹を満たしてから、エジプト航空夜便で出発。１４時間強の長いフライト中の寝酒は、空港で各自用意してから搭乗です。 さすがベストシーズン！ツアー団体が１４組程も乗っていました。日本人乗務員はいませんが、それでも直行便は楽です。エコノミークラスでもポーチ入りの歯ブラシ、靴下、アイマスクなどのアメニティーサービスは上々でした。夜便は静かで眠れる時間帯なので体力的に無理が軽減される感です。さ、試練の長時間移動、がんばりましょう。

カルナック神殿とルクソール神殿を結ぶ３ｋｍの羊スフィンクス参道

3泊したナイル川クルーズ船ファラー号

2日目

2月25日/晴曇/14〜32 ℃

早朝カイロ空港に到着！一番乗りでビザ取得後、国内線に乗り継いでルクソールへ。 早速、宮殿、神殿がある生と祈りの東岸観光カルナック神殿からです。日差しがギンギンで時差ボケと長旅の疲れを吹っ飛ばしてくれます。３千年前にカルナック神殿とルクソール神殿を結んだヒツジのスフィンクス参道は約３ｋｍ。世界一長い石の参道で、羊の顎下に王様の立像が迎えてくれます。ツタンカーメンのスフィンクス、映画「ナイル殺人事件」の舞台になったレリーフの列柱と間の透かし高窓、わずか７か月で２１０㎞離れたアスワンから運んで完成させた４８５トンのオベリスクが見もの。15ｍも砂に埋もれていたこと、石を積み重ねるために足場にした日干し煉瓦の丘が4500年前のもの、興味深い話がいっぱいです。 クルーズ船ファラー号で一休憩してから出かけた、ライトアップされたマジックアワーのルクソール神殿も神秘的でした。夜はベリーダンスとタンヌーラショーです。

ルクソール神殿とオベリスク（1本はパリのコンコルド広場へプレゼント）

どの神殿も柱、レリーフが素晴らしい！（カルナック神殿より）

3日目

2月26日/晴曇/15〜30 ℃

早朝から西岸にカラフルな気球がたくさん上がっていました。 今日は死の世界のルクソール西岸観光です。サトウキビを貨物トロッコで製糖所へ運ぶ住民が働いていました。６４墳墓もある王家の谷は日本の援助で作られた模型から、王の在位期間によって洞窟の長さ深さが違うことがわかりました。短いのに墓荒らしなく発掘されたツタンカーメンのお墓には１９歳で眠りについたミイラがありました。 ラムセス4・9世いずれも鮮明に色を残す内部の彫刻壁画には圧巻。短いのに墓荒らしなく発掘された素晴らしい埋葬品のツタンカーメンのお墓も見学！ 石棺と木管、１９歳で眠りについたツタンカーメンのミイラがありました。ミイラが出てくるまで4重の厨子と石棺、木棺、木棺、金棺と8重でした。 ネフェルタリ王妃の墓は一日１５０人制限でエジプト一高額な入場料。中は空っぽですが、外の砂漠からは想像を絶するアートの世界でした。エスナ水門ではボートで近づく売り子がサンデッキまで商品を投げ入れてきて必死な様子。今夜はカクテルパーティーです。

ハトシェプスト女王葬祭殿

エトナ水門に入って水位をあげて上流へ

4日目

2月27日/曇/10〜22 ℃

2人乗り馬車でエドフの町を通ってハヤブサの神ホルス神殿へ。哲学的な善と悪の戦いを象徴するハヤブサとカバの対決など内外壁のレリーフの状態が素晴らしく、ハヤブサ石像は新品のようでした。 コムオンボでは、歩いて神殿見学へ。２３００年前の水量、収穫期を表したカレンダー、医学の神と世界最古の義足、くも膜下出血手術などの医療道具など、興味深い浮彫レリーフとナイルワニのミイラがありました。文明発祥地のエジプトの古代遺跡の多さと保存状態の良さに、改めて毎日ハイライトが続く旅を実感。 キレイで快適なファラー号は、雄大な砂漠、ギリシャの歴史家ヘロドトスの言葉「ナイルの賜物」の緑地ベルトをゆっくり進み、農地があり漁師が家畜と水と共に生きる生活を垣間見ながら、サンデッキではアイス、ティータイムサービスで優雅に過ごさせてくれます。今夜はガラベイヤパーティーそしてクリスタルハートだけのためにヌビアンショーもありました。

ハヤブサの神ホルス神殿

コムオンボ神殿の年間カレンダーを表すレリーフ

5日目

2月28日/晴れ/10〜24 ℃

毎朝、和食を作ってくれたコック、フレンドリーなスタッフにお別れをして下船。 ４０数年前にロシアの援助で完成したアスワンハイダムを観光。アブシンベルまでの砂漠道路280ｋｍは砂、岩砂漠、蜃気楼、陽炎を追ってスーダン国境方向に近づいていきます。世界最大の人造湖ナセル湖は琵琶湖の8倍、東京から大阪までの長さ。ダム建設で上流のヌビア文化の遺跡の多くが水没することになり、アブシンベル神殿は、ユネスコが1万6千のブロックに分解して200ｍ離れた60mの高さの人口丘に移築することで守った3300年前の遺産。これが世界遺産条約第1号。 奈良の大仏より大きいラムセス2世座像が大迫力の大神殿、45人の王妃の中で最も愛した絶世の美女ネフェルタリ王妃に捧げた小神殿もドラマチックでした。アスワンの中州に宿泊し、19Ｃに王の冬の離宮だった名門オールドカタラクトホテルでチャーチル首相部屋を見学後、アラブ風ダイニング「１９０２」でセミフォーマル晩餐会の夜でした。

アブシンベル神殿(左：大神殿、右：小神殿）

アブシンベル大神殿の内部

6日目

3月1日/晴れ/8〜22 ℃

今日は週末、安息日の金曜日。貸切ボートでナイル川にあるフェラエ島のイシス神殿へ。イシス女神がハヤブサのホルス神を生んだ部屋がありました。神殿はどこも柱が素晴らしく、蓮の蕾、開いた蓮、椰子、パピルスなど様々な木と花のデザインがありました。 エジプト産オベリスクは40本も外国へ運ばれたため他国のあちこちで見かけてきましたがエジプトには7本だけ。一枚岩の花崗岩で造られた巨大なオベリスクを硬い玄武岩や水、木を使って切り出している途中で割れてしまったオベリスクを見学。世界一巨大なオベリスクになるはずでしたが、未完で壊れたおかげで外国に持っていかれずに済みました。赤い木綿の並木がキレイに咲いていました。 国内線でカイロへ。リッツカールトンはさすがゴージャスホテル！超お金持ちの結婚式や大企業の記念パーティーでモデルのような派手で美しい人達がいっぱいでした。ナイル川の素敵な眺めのお部屋にご滞在。

イシス神殿

世界一になるはずだった切りかけのオベリスク

7日目

3月2日/晴れ/10〜22 ℃

ギザの３大ピラミッドへ。4500年前のクフ王ピラミッドはスクワットをしながら入場！スフィンクスはなんと足元を触れながらぐるり一周できる世界のＶＩＰが入る場所に特別入場です。１枚岩製そしてかつての色が少し残っているのが見られました。3大ピラミッドパノラマポイントからは、珍しくサッカラまでなんと１３ものピラミッドを数えることができました。近くには2020年オープン予定の世界一博物館がＪＡＩＣＡをトップ責任者に建設中。 午後は、エジプト考古学博物館へ。来日経験がある世界一高価なツタンカーメンの黄金のマスク、木棺、金管、埋葬品、閃緑岩の座像、たった6センチのクフ王像、王族や動物のミイラ、４５００年前から未修復の水晶と象牙の目をした書記官、４６５０年前の雪華石膏製内臓入れ、３３３０年前から錆びない隕石製短剣...ふぅ。素晴らしいすぎてため息。 フォーシーズンズホテルの中華で最後の晩餐後に夜便でエジプトとお別れです。

ギザ３大ピラミッドのパノラマ

特別予約入場でスフィンクスの足元に接近

8日目

3月3日/雨/8 ℃

約２千万人が暮らすカイロは夜のマーケット、大渋滞と活気があります。レンガとコンクリート、未完成に見える高層アパートがズラリ。どこの屋上にもいつの日か使えるかも～とお取り置きのガラクタにも見えるものがごちゃごちゃしていて、建築違反の建物は政府によって壊されたままで危険な状態。日本では考えられないような光景に目が釘付けになる大都会でした。さて、楽しい時間は早いもので、初日から最後まで皆様いつも尽きることのない会話と笑いで和気あいあいと過ごしてくださり、とても雰囲気の良い旅仲間の皆様とご一緒させていただけて楽しい時間となりました。またいつかどこかでご一緒させていただける日を心より楽しみにしております。ありがとうございました。シュクラン！

砂漠に見えた幻想的な蜃気楼

これからクフ王のピラミッドに入りまーす！出てきたら汗(笑)