みなさん、こんにちは!東京も桜が満開となりましたね。
そんな外の様子も昨日やっと気がついたくらいで、自分でもびっくりしました。
外の景色をしばらく見ることもなかったくらいせかせかしていました。
日本にはせっかく素敵な四季があるので季節の移ろいを感じながら日々過ごしていきたいな、と思います。

   *contents*
☆ ごあいさつ
☆ お客さまの声
☆ 社員のないしょ話7
☆ 続・江戸・東京を旅しよう(明治時代、文学の足跡を辿るたび4)



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      ごあいさつ
 
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厳しい寒さも和らぎ、日一日と春の兆しが感じられる季節となりました。
みなさま如何お過ごしでしょうか?
この「お客さま新聞」も刊行してはや3年となり、これまで続けることができたのは、皆さまの温かいご支援があったからと考えております。
 弊社は通信販売の形態を柱とした旅行会社ですので、お客様と接する機会が少なく、この「阪急お客さま新聞」を通じて皆様の声のが頂ければと考え、この新聞を始めた次第です。
当初は心配な発行でしたが、皆様からのお便りは応援、共感、感動、親近感など嬉しいお返事がほとんどで、その声に私たちがどれだけ励まされ、勇気とエネルギーを頂いたかわかりません。また敢えて厳しいご意見をいただきながらもその裏に愛情を感じるお手紙も多く、それは私たち自身を見つめ直す結果となりました。「阪急交通社で働いてきてよかった」としみじみ思いました。
皆様からのお手紙やFAXが会社へ届くのがとても楽しみでした。これまでみなさまからいただいたお手紙やFAXは大切に保管させて頂いております。その数は 約858通にもなりました。本当にありがとうございました。
この新聞は昨年、紙媒体からインターネットへと手法が進化し、新たな段階に移行致しました。しかしながら、ご利用件数やご購読の皆様の反応が芳しくなかった為、本号にて一旦終了させていただくことになりました。 ここで一度ピリオドを打ち、皆様とのお別れとなりますが、又いつか別の形で皆さまとお逢いすることができればと思っております。ここまでおつきあいいただきまして本当にありがとうございました。
2008年3月25日
編集部 一同
 
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お客さまの声 
  
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【旅に行ってきました】

 先日「幻想のチュニジア8日間」に行ってきました。10日間コースが満席で仕方なく短いコースでしたが、ローマ遺跡が見事でイタリア・トルコに負けないくらいの遺跡に吃驚しました。エルジェムの円形闘技場はローマのコロッセオより見応え充分だし、チュニスのローマ水道橋も立派で驚きでした。また、サハラ砂漠のらくだ乗りやアトラス山脈付近のオアシス観光も素晴らしかったし、テレビで見たシティ・オブ・サイド散策、真っ青な空と地中海を眺められるカフェでのミントティーのサービスは最高でした。だから海外旅行はやめられない。添乗員の萩原さん本当にお世話様でした。明るく、機転が利いていつもニコニコ笑顔がまたステキでした。チュニジアは人々も親切だし、トイレも整い、持参したトイレットペーパーは持ち帰りました(笑)。今回帰りはローマからJAL便(アリタリアのコードシェアリング)だったのもよかったです。
(60代 T・A様)

 貴社のロンドン・パリツアーから帰国して2ヶ月です。社員のないしょ話6は刺激になりました。出発前の3ヵ月、若い時に読みたいと思っていた本。マルセルプルーストの「失われた時を求めて」全十巻を読破して出かけ、気持ちの中にフランスサロン時代の古典をたくわえてフランスを知ろうと思いました。ツアーでは静的な部分を、ないしょ話ではイキイキとした現代時が営む動的な部分、いつかまたフランスだけを足で歩きたいような気分でいます。
(70代 S・T様)

 「トルコハイライト8日間」  2007年6月6日(火)
出発
私の初めての海外旅行はトラピックスでした。地球の隅々まで旅行している友人から「トルコは素晴らしいぞ。行こうよ。」と誘われ、思わず「ウン」と返事したのです。ドキドキと胸が高鳴る中、トルコ直行便ではもうトルコのことで夢中になっていました。オスマントルコ大帝国の足跡をアジアとヨーロッパにまたがる文化・文明が交錯するイスタンブール都市に到着して強烈な印象が胸にガツンと突き刺さってきました。こんなに自分を虜にしてしまう海外の旅があったなんて知らなかった。多分旅行を趣味として世界各地を巡っている多くの旅行人は単に「あそこはよかったわね」の一言になっているだろう。
(匿名希望)

 昨年2月にミャンマーへのツアーに参加しました。仏教寺院の壮麗さやミャンマーの人々の貧しいながら信仰心に基づく平和な生活ぶりに強い印象を持ちました。ところが10月には仏教徒や一般大衆による平和的なデモに対し軍事政権による武力弾圧が行われ、多数の死者を出す事件が起こり大変驚きました。観光ツアーではその国の一面をなぞるように通り過ぎてしまうので、その国の内情までを知る機会はないのですが、ミャンマーの赤い夕陽と寺院のコントラストと今回の事件とが全く結びつかないので複雑な心境です。阪急お客さま新聞では、旅行参加者の生の感想が書かれており毎回楽しみにしています。
(50代 R・S様)

 *編集部より*
昨年に続き、トルコやチュニジアなど、今まで馴染みが無かった方面にも訪れるお客様が増え、面白いお話が多数頂けるようになりました。実際に訪れる事により、予想以上の感動があった事など伺うのは楽しい限りです。機会があれば是非訪れて頂きたく思います。 


海外のお土産】

 海外旅行でのお土産は、その国の特徴を知る上で楽しみです。
ハワイ・・・「ヒロハッティ」というショッピングセンターでコナコーヒー100%を購入。酸味があり、以前は真空パック10ヶ購入し、冷凍室に保存していました。 
カナダ・・・「メープルシロップ」はカエデの樹液を煮詰めたシロップでミネラル・ビタミン豊富。 
 トルコ・・・「アップルティー」顆粒状となっている。日本では見られない。爽やかな味。
エジプト・・・「ハイビスカスの紅茶」味は絶品。カイロ空港にあります。「ピラミッド」のガラスケース。
スペイン・・・阪急さんの添乗員さんが案内しました「乾燥ザクロ」と「オリーブオイル」特にオリーブオイルは今までで最高の味。 
チュニジア・・・「なつめやしの実」と「オリーブオイル」阪急の添乗員さんの紹介によるものでまろやかな味。 
ロシア・・・「キャビア」は期待していた味ではなく、日本の「いくら」の方がおいしい。 

私たちは海外へ出かける場合、阪急さん利用は12回中8回です。旅行先で必ずその国のスーパーマーケットへ行きます。その国の生活ぶりがわかりますので、阪急さんのツアーでは少なくとも1〜2時間自由行動の時間が欲しいものです。ツアーの中に組み入れて下さい。
(60代 N・S様)

 *編集部より*
現地でのお買い物、近頃は特にスーパーマーケットでのお土産探しに人気があるようです。商品的にはあたりはずれがありますが、実際に地元の方が購入している商品なので外れても、旅の記念になるようです。町歩きの記念としてなら、面白いですね。


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   社員のないしょ話7
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 みなさん、こんにちは。村山です。
社員のないしょ話も7回目を迎え、お役に立てる話も一つくらいはあったかな?と思いますが、いかがでしたでしょうか。
 3月に入り、朝の気温の暖かさや季節の匂い、春の食材を目にすると春の訪れを感じます。 
春といえば、みなさんは菜の花はお好きですか?私は菜の花のおひたしが大好きで、先日もスーパーで買ってきて食べました。この時期を逃すと食べられないので(去年は逃してしまった!)、今年はたくさん食べようと思っています。この菜の花、カロチン・ビタミン類・鉄分を豊富に含んだ栄養価の高い緑黄色野菜。免疫力アップや女性にうれしい美容、貧血に効果があるんです。見ても食べても嬉しいなんて、菜の花もきっと喜んでくれますね♪  


「温泉」と聞いてイメージするもの・・・自然に囲まれた中にある露天風呂や和風のつくりの建物にあるお風呂。日本の大きな文化の一つだと思います。温泉が嫌いという人はきっといないのではないでしょうか。私も温泉が大好きで、今月もどこかへ行こうか予定しています。

温泉といえば、先月行ってきた北海道の阿寒湖畔温泉と層雲峡温泉、吹雪の中(吹雪いてくる雪はどれも結晶がきれい!)での露天風呂は普段味わえないものなので、至福の時でした♪

ところで世界にも温泉があるのをご存知ですか?また、海外の温泉に入浴したことがありますか?
世界の温泉の始まりはなんとはるか昔、紀元前500年頃に遡るというから驚きです。
ローマ人がギリシャで硫黄泉に入っていたという記録があります。
西ヨーロッパでは地下から湧き出る水を聖水と考え、心身を癒す飲料水や沐浴に使っていました。インドガンジス川と同じように心身を清めるところとしています。中国では病気治療の力がある神秘的なものです。世界では一般的に温泉プールや露天風呂は水着で入り、水泳とともに日光浴を楽しむ。温泉に入らず、その景観を楽しむ温泉地もあります。日本は観光として楽しむのが通常ですが、ヨーロッパでは治療やリハビリのための湯治湯の考えが深いので温泉療養は医療行為と認められています。

日本は火山の多い国なので温泉が多くありお湯が湧き出たものが「温泉」というイメージ(一定の成分が含まれていれば低温でも温泉と呼びます)ですが、海外では低温のものが多いので過熱した水を「温泉」といいます。言葉も日本語にある「湯」を一言で表そうとすると「温かい水」という表現になるそうです。おもしろいことに、温泉を表すマークも湯けむりマークではなく海外では噴水の絵なんです。本当に「湯」ではなく「水」のイメージですね。日本人の多くが温泉に入るのが好きなのに対し、海外の多くの人は飲料として温泉を取り入れるそうです。体の中から健康になりそうですね。では、少しですが海外の温泉の紹介です。 

スイス テルメル・バーデン
35度くらいのぬるい温度の温泉。日本だと40度を越える高温温泉が多いので拍子抜けしてしまうかもしれない。水着着用で入る。バーデン温泉が有名。透明色です。写真を見るとなんだかプールみたいです。  

ニュージーランド ハンマー・スプリングス・サマール・リザーブ
ニュージーランドの源泉数は150もあります。水着で入り、洗い場もないのでプールの感覚です。未開の地が多く、秘湯・・・野湯もありますが、入るときにはアメーバによる感染症に注意しなければなりませんので、しっかり情報を調べてからにしましょう。この温泉は山岳部の温泉街にあるリゾート施設。10以上ものプール(温泉)があり規模が大きいです。岩に囲まれた露天風呂に入ると海外にいるのを忘れてしまいそうです 

ドイツ バーデン・バーデン
ドイツは火山国ではないのに温泉が多くあります。国指定の源泉が260もあります。ここもローマ帝国時代に見つかった源泉。ここのフリードリッヒ浴場は高--いドーム型天井で丸い湯船が特徴です。まるでどこかの寺院の中で入っているかのよう。中世の雰囲気が魅力的です。  

イギリス ローマン・バス
イギリスの南西にある街バースは風呂(bath)が語源。ローマ人が湧き出た湯の上に神殿と浴場を作ったことから。イギリスにも沢山の温泉地があります。というのもその温泉の効能を11世紀頃には既に医学的に認め温泉建設ラッシュがあったから。今では入浴はできず見学だけですが、温泉はもちろん天然。温度はぬるめで色は緑色です。 

ニュージーランド ハンマー・スプリングス・サマール・リザーブ
ニュージーランドの源泉数は150もあります。水着で入り、洗い場もないのでプールの感覚です。未開の地が多く、秘湯・・・野湯もありますが、入るときにはアメーバによる感染症に注意しなければなりませんので、しっかり情報を調べてからにしましょう。この温泉は山岳部の温泉街にあるリゾート施設。10以上ものプール(温泉)があり規模が大きいです。岩に囲まれた露天風呂に入ると海外にいるのを忘れてしまいそうです。  

アイスランド ブルーラグーン
アイスランドには多数の温泉がありますが、その中で最も有名な温泉。地熱のエネルギーを使用した人工的な温泉。しかし、周りの大自然とその規模の大きさに驚くことでしょう。お湯は乳白色・・青まじりの色。海水とマグマからできた水蒸気でできているのでミネラルが豊富だとか。


続!江戸・東京を旅しよう

明治時代、文学の足跡を辿るたび<4>
 

 
〜漱石・鴎外・一葉の東京と作品を訪ねて〜
 

漱石と明治、そして平成
私、尾上一途(おのえ かずみち)が乗車している都電荒川線は、ただ今「鬼子母神」に到着いたしました。次の「雑司ヶ谷」までの一区間、少し漱石が暮らしていた時代背景のお話をいたしましょう。何度も申し上げましたが、 漱石は、明治維新の前年に生まれました。明治維新は、約300年続いた徳川幕府が崩壊した歴史的大事件でございます。明治維新によって武士という身分・職業が無くなってしまったのでございます。この時失業したと申しますか、裸で世の中に放り出された武士はおよそ80万人といわれております。当時の日本の総人口は約3千5百万人ですから、一度に2%を上回る失業者が発生したのでございます。影響を受けたのは武士本人だけではございません。その家族、更には幕藩体制に拠っていた多くの町民なども失業の憂き目にあったことを考えれば、いかに大変な出来事であったかが想像できます。いずれにせよ、収入源が一瞬にして消え、突然、「時代は変わった。これからは自力で生活するように」そういわれた当時の武士、その家族はどれほど不安に思ったことでしょう。身分・職業だけではありません。刀を捨て、チョンマゲを落とし、ズボンとシャツを身に着け靴を履く。時代も、制度も、生活習慣も、価値観も、何もかもが極端に変わってしまったのです。多くの人々が「今までの私たちは何だったのか?」そう思ったに違いありません。漱石が生きた明治時代は、「西洋を目標に一直線に上昇していこう」という分かり易い共通の大きな目標があった反面、世の中の激変に自分を見失ったたくさんの人々を生み出してしまった時代でもありました。皆さん、今の時代を考えてみましょう。戦後民主主義に則った多くの昭和の価値観が崩れ、新たな目標や指針といったものをなかなか見出せないでいる、という意味では、漱石の時代と似ているような気もいたします。漱石が没して約一世紀、今、密かな〝漱石ブーム〟ともいわれているのも、そのような平成の世に生きる私達が、無意識の中で漱石の文学から何かの示唆を求めているからかもしれません。 

■お墓を観光? 雑司ヶ谷霊園
都電荒川線が「雑司ヶ谷」停留所に到着いたしました。すぐ隣が霊園になっております。これから皆様を「雑司が谷霊園」にご案内するのですが、日本人はあまり「有名人のお墓を鑑賞する」という習慣はありませんよね。ところが、西洋ではこれが結構盛んで人気があるのです。日本人は基本的に目立つことを嫌いますので、お墓でも個性的なものは少ないですよね。大概が長方形の御影石に家の名前や個人名が彫ってある、というものです。これに対して、西洋のお墓は、我々日本人から見てびっくりするくらい個性的・特徴的なものが多く、「造詣美術品として鑑賞しても面白い」ということも、西洋においてお墓を観光目的で訪れる人が多いことの理由と思われます。「雑司が谷霊園」には、そこまで西洋ほど個性的なお墓はありませんが、特定の宗教や宗派のための墓地ではないので、多岐にわたる分野の著名人のお墓がたくさんございます。夏目漱石以外にも、例えば、作家では泉鏡花、永井荷風、小泉八雲にサトウハチロー。画家では竹下夢二や東郷青児、他にも、作曲家のいずみたくや変わったところでは、東条英機、ジョン万次郎などなど。ここではいろんな分野の歴史的人物のお墓に出会うことができます。ただし、非常に広い墓地公園なもんで、管理事務所で100円を寄付して案内図を頂き、これを見ながら散策しないとお目当てのお墓を探すのが大変です。と、いう訳で、私、なんとか夏目漱石のお墓の前にやってまいりました。
【つづく!?】  


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    さいごに
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みなさん、お元気ですか?田中慎二です。2007年の異動に伴い、私は「お客さま新聞」の編集から外れましたが、それまで書き溜めておいた原稿は引き続き掲載させていただき、又皆様からのお声もしっかり読ませて頂いておりました。今回 お客さま新聞が一旦終了することになりました。正直淋しくもあり、又3年間も続けてこれたのはひとえに皆様のおかげと感謝の気持ちで一杯です。私が阪急交通社に入社してものすごく嬉しかったことが3つあるのです。ひとつは“飛び込みセールスをして新規のお客さんを獲得できた時”、ふたつめは“当時の上司に「お前にはお前の良さがある」と私の存在を認めてもらった時”、そして3つめは“「お客さま新聞」にたくさんのお客さまからお返事を頂いた時”です。これは本当に涙が出るくらいうれしい経験でした。今の自分を支えてくれる“元気の素”です。そんな宝物を下さって本当にありがとうございました。又、いつかどこかで皆さんと “声のキャッチボール”が出来ることを楽しみにしています。その時までさようなら!ありがとうございました。

2008年3月25日
田中 慎二 


こんにちは。村山です。2006年10月よりこの新聞編集に携わることになってからちょうど一年半が経ちます。かつては私も「阪急お客さま新聞」の一読者として読んでいましたが、その頃からみなさんの旅のお話や叱咤激励が胸に響いて、何度も読み返しては仕事をがんばろうと、私の大きな支えとなっていました。また、普段お客さまの顔を拝見しにくい場所にいるからでしょうか、 “みなさんの声”がお手紙のやりとりのようにも感じていました。本当に嬉しく、楽しみでした。 旅の大好きなみなさんの存在があったからこその新聞でした。今までお付き合いいだだきありがとうございました。またどこかでお会いできましたら幸いです。 

村山 芽求美