みなさん、こんにちは。まだまだ寒い日が続いていますね。
お元気でしょうか。最近はどちらかへ旅行へいかれましたか?
もうすぐ春の便りが届きます。旅の計画も楽しくなりそうですね!
それでは、今月のお客さま新聞をどうぞ!!

    *contents*

 ☆ コラム「安心と希望」
 ☆ お客さまの声
 ☆ 社員のないしょ話6
 ☆ 続・江戸・東京を旅しよう(明治時代、文学の足跡を辿るたび3)




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    安心と希望
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落合信彦さんの本にこんなことが書いてありました。
高齢者の福祉が厚く、老後も国が面倒を見てくれる国としてスウエーデンがあります。
税金は高く、物価も高いのですが、貯金が無くとも老後は安心という今の日本からは大変羨ましい国です。
又、学校も大学まで無料で進学でき、大学進学率は97%だそうです。

しかし、実は自殺率が世界一でもあるそうです。
これは一体どういうことでしょうか?老後の生活に関してはお金がなくとも心配いらないのになぜ?

答えのひとつとして北欧独特の気候が関係しているかもしれません。冬は1日の日照時間が3時間程度。
暗く陰鬱な時間が多いと気分まで滅入ってしまうというのは私達日本人にもわかるような気がします。
そしてもうひとつ僕はこういうことも言えるのではないかと思います。

「安心」はあるが、「希望はない」

つまり確かにお金はなくとも国が死ぬまで面倒を見てくれるのですから「生活不安や死への恐怖」は
それほどではないのかもしれません。
でも高い税金や恐るべき物価高で例えばお金を貯めてこれを買おうとか、ひとつ事業を起こしてやろう
といった「希望」「野心」「血湧き肉踊るような興奮」は起きにくい社会ではないでしょうか(もちろん一般論
ですべての人がそうであるとは言いませんが)。

人間が生き続ける上で何が一番大切かと言えば「生きる意味」だと思います。
どんなにお金の心配がなくとも「生きる意味」が見出せなければ生きていること自体が苦痛です。
無気力になってしまいます。

昭和30年代、みんな貧乏でも生きる活力とエネルギーが満ち溢れていたのは「生きる意味」が明確だった
からではないかと思います。しかし、よくよく見てみれば、地球上の動物で生きる為に「生きる意味」が
必要なのは人間だけかもしれません。
自殺もそうですね。(最近は他の動物でもあるのかな?)つまり人間以外の動物には「生きる意味など無く
とも生きていける」それは「生きていくのが精一杯で、生きること自体が目的」だからかもしれません。
人間は生きていく為に豊かになり、そして豊かになることにより、生きる意味を見失い生きていくことが苦しく
なるそう言ったことがいえるのではないでしょうか?
生きる為に一番必要なのは「希望」なのですね。

(文・田中 慎二)


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     お客さまの声
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【わたしの旅行記】

海外旅行の度にアルバムを作っています。
旅の内容や期間によって1冊から3冊にまとまって通し番号をつけています。
昨年の4月に40回になりました。アルバムには写真だけでなくチケット、スケッチ、シリアルの空き箱、
ペットボトルのラベル、菓子の包装紙、変わったところではTGVのトイレットペーパーなども貼ってあります。場所や建物などにはガイドブックの解説も書いています。
将来、体力的に海外旅行が出来なくなったときに楽しかった旅を思い出させてくれる私の宝物です。
(60代 H・K様)

写真と関連印刷物の参考資料を保存。
(70代 S・S様)

紀行文は写真挿入で6〜10ページ。同人誌へ投稿します。アルバムは統一したもので毎回1〜3冊です。
(60代 岡田 隆則様)

写真集(CD-ROM)、旅行記(10ページくらい)
(60代 H・M様)

日記を旅行中に書きます。そして現地の人と関わったらサインをしてもらったりします。
会話をするのに言葉が充分でない場合は紙に絵を書いてもらったりすることもあります。
そうすると日記を開いたときに蘇る思い出が深くなります。買い物をしたときのレシートを貼ったり、
イラストを描いてみたり。必ず旅に行くときに日記帳のようなノートを持っていくことにしています。
そのノートを選んだりするのも楽しいですよ。写真アルバムはまた別につくります。
(50代 J・M様)

今年定年を迎える、トラピックスの大ファンです。今まで13回の海外旅行のうち11回をトラピックスで行きました。
毎月「トラピックス倶楽部」が送られてくるのを楽しみに待ち、その中から次の旅行計画を立てています。
私は旅行先が決まり、申し込むと必ずその国のガイドブックを買ってきて、下調べをします。そして当日は
色々な写真を撮り、資料や情報も集めてきます。
帰国後アルバムにそれらの写真、資料等をはり、整理しています。このアルバム作りも大変楽しい作業です。
これからは34号に載っていた高林さんのように1年に5〜6回の旅行を計画したいと思っています。
これからも宜しくお願いします。
(50代 M・I様)

*編集部より*
皆さんそれぞれに、ご旅行の思い出を整理されている様ですね。
旅行も回数が重なると資料も多量になると思いますが、近頃はパソコンを利用して編集されるお客様も
多くその出来映えに驚いてしまいます。
また旅行先で入手したレシートやパンフレットなどファイルリングされているのを拝見すると、ご旅行の
臨場感を感じます。


【一人旅の楽しみ方】

滅多に一人旅はないのですが、食事も睡眠もすべて嬉しくて嬉しくて楽しくて仕方がありません。
でも、これから老後、独りだけになったら「不自由だろうな、寂しいだろうなぁ、悲しいだろうなぁ・・・など」と
思います。「そんな私」になっても阪急さんは旅行に誘ってくださいますか?老女の一人旅でも誘って
いただけたら嬉しいです。少し病気も治ってきましたので、北海道や桂林などへ出かけてみたいなぁと
思っています。国内旅行で好きなのはやはり「北海道」。近くなら「奈良」です。
(60代 K・S様)

*編集部より*
旅行にお出かけになる時、ご一緒される方を決めるのは皆様それぞれお考えの様ですね。
お一人の参加もよろしいですが、やはり「旅は道づれ」で気のあったお友達が一番と思います。
またご旅行の際にお友達が増えて次回はご一緒というケースもありますのでこれもまた旅の楽しみと
思います。


【世界の国々なんでも情報】

アメリカ、ペンシルベニア州、フィラデルフィア市アメリカの京都と云われています。
ジョージ・ワシントン時代のこと、星条旗をデザインしたお針子の家、リバテイベル、郊外には黒マントの
アーミンの生活(馬車)。ポーランド、ワルシャワ、クラクフ、ショパンの生家、なにより私の少女時代を刺激
したキュリー夫人の国。窓からピアノのライブ、マズルカ、ノクターンが聴くことができます。
(70代 S・T様)

南アフリカは平均寿命43歳だそうです(昨年5月に現地ガイドに聞いた情報です)。
エイズで亡くなる人とか、殺人が多いそうです。
(60代 岡田 隆則様)

*編集部より*
世界は狭くなったと言いますが、まだまだ色々な所があると思います。
昔本で知った国から、現在の国々まで、訪れてみたいという興味は尽きません。


【編集部より世界の情報】

★中国ではいろいろなマッサージがありますが、「足で背中を踏む」マッサージがあるそうです。
静かに人気を集めています。かかとや足の指を使い、天井からつりさがった棒につかまりながら体重の
かけ具合を調節してフミフミ・・・。
手や手よりも足の面積は広いし力も体重をのせるだけでいいので肩揉みを頼まれても疲れることが
なさそうですね。

★イギリスのお土産でクッキーや紅茶以外に美味しいお土産。それは、固形ソースです。
チキン・ビーフ・ラム・ベジタブルなど様々な種類が豊富に揃っています。日本にはない味のものが
あるので、料理好きな方へプレゼントはいかがですか?
その他にカレースパイスも。このスパイスを合わせれば完成。量も自分で変えられるのがポイントです。

★お土産ネタ第二弾。スペインのお土産です。デパートの地下にある蜂蜜。
オレンジ、ラベンダーなど多種類のこの蜂蜜を購入するためにわざわざスペインへ行く人もいるくらい
なんです。


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    社員のないしょ話6
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みなさんこんにちは。今年は東京都心でも珍しく雪が積もるほど降りましたね。まだまだ寒いですが、
体調にはお気をつけください。

今年に入って既に旅行に行かれた方はいらっしゃいますか?
これから計画を立てるという方もいらっしゃると思いますが、今年はどちらを予定していますか?
私の今年初の旅行は北海道!未だ見ぬ流氷を見に行きます。きっとこの新聞がみなさんのお手元に届く頃です。

韓国の友達がワーキングホリデーで日本に滞在しているのですが、釜山出身の彼女は大雪を体験したこと
がないそうです。流氷の話をすると「海に氷の固まりがあるなんて信じられないです!」と。
日本にいるうちに行きたい所として北海道・沖縄を挙げていたので、雪の北海道なら今だ!とすぐに申し込
みました。「アルバイト先で流氷を見るんだ〜って自慢をしています。」ととても楽しみにしているようです。

さて、今日はまたパリへ戻ります。パリの街を歩くのにちょっと使える!?情報をお届けします。
パリコレやカンヌ映画祭のような大きなイベントではありませんが、気軽に参加できそうなこんなイベントの
ご紹介です。

Foire du trone   移動遊園地祭
4月初旬から5月末まで。なんと900年も前から続いているお祭。ヴァンセンヌの森に全国の移動遊園地が
集まり、深夜まで開催されます。入場無料。遊園地が移動するなんて日本では考えられませんね。

inéma au clair de lune  月明かりの映画会
8月上旬〜下旬にかけて行われます。パリの公園や広場、野外でパリを舞台とした映画の無料上映。
月明かりの元での映画だなんて名前もステキですね。その時期はパリの夜を楽しんでください。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                日本のアニメ市
パリで毎年7月初めに行われるヨーロッパ最大規模のアニメイベント。日本のアニメやマンガの紹介から
ゲーム、音楽、剣道や柔道などの文化も紹介されていて、いま最も注目されています。
2008年は7/3-6で開催されます。入場料は要確認。

*マンガタイトル日本語フランス語比較*
    日本語タイトル   フランス語タイトル
        ルパン三世    → エドガー大強盗探偵
        ベルサイユのバラ→ オスカー嬢
        ハクション大魔王→ ビンの中のロベール
        エースをねらえ → ゲーム,セット,マッチ
        キャプテン翼   → オリーブとトム


ギャルソンレース
カフェで働くギャルソン(ウェイター・ウェイトレス)たちが、トレーにビンとグラスをのせて、パリ市庁舎から
パリ中心地をひと回りするレース。いかに水をこぼさずに早く回れるかを競う。
神楽坂でも去年行われたそうです。これは一般客の参加も可能で参加無料。応援客も優勝者を予想し、
当たると豪華賞品がもらえるとか!今年は神楽坂に行ってみるのもいいですね。

Readeing 朗読会
フランスでは小学生のうちから有名なフランス詩を自分なりの表現で朗読できるようにと教えられるとか。
知れば知るほど芸術と近く、深く付き合う国だなと感じます。朗読会とは、定期的に本屋でイベントが開かれたり、
ポエジーカフェで行われます。詩はとても身近なものなんですね。
毎年3月にある本の見本市では有名作家の朗読が聴けます。また、自分で作ったアートを発表する
イベントスペースもあり、そこでは誰でも事前申込みをすれば参加ができます。
我こそは芸術肌!という方、パリで自作の披露だなんて思い出に残るのではないでしょうか。

opera
パリのオペラ座。ちょっと敷居が高いイメージですが、7月14日みなさん馴染みのあるオペラ座
(通称ガルニエ)と(バスティーユにある)新オペラ座が入場無料なんです!
ただし、朝から長蛇の列になるので、早起きをオススメします。ガルニエオペラ座ではバレエが中心、
バスティーユのオペラ座はオペラ中心です。
ガルニエの近くには日本人街があります。日本食が恋しくなったり本屋へ行きたいときにはそちらまで・・・。
くれぐれも裏道ではスリに注意してください!!最寄駅はメトロのオペラ駅。

SOLDE ソルド(セール)
7月下旬〜8月、12月クリスマス後〜1月末の年2回。日本との違いはなんとセールを決めるのは行政府。
開始時間から期間を決めるので、それにあたる時期は街はSOLDE一色!ブランド品も最大80%引きに
なるというから驚き。フランス旅行がSOLDEにあたる日だったらお得に買い物ができそうですね。
SOLDE以外に覚えておくと便利なのは「PROMOTION(プロモシオン)」「LIQUIDATION(リクイダシオン)」。
特売と閉店のための在庫整理の品物だそうです。これで海外でも買い物上手になれるかも!?

Concerts gratuits de Radio France au Petit Palais
(プチ・パレでのラジオ・フランス交響楽団による無料コンサート)
プチ・パレ(パリ市立美術館)は1900年にパリ万博の会場として建てられました。凱旋門を背にシャンゼリ
ゼ通り沿いを歩いてコンコルド広場にたどり着く手前の右手(セーヌ川沿い)にあります。
ここでは18〜19世紀の絵画の鑑賞ができます。レストランやブティック、書店もあり、回廊の中庭は美しい
ですよ。充実した時間を過ごせそうです。ここは無料の美術館なので見るだけでもよし、また今年6月26日
まで毎週木曜の12:30〜1時間ラジオ・フランス交響楽団による無料コンサートが行われており、
毎回テーマに沿った演奏が聴けるとか。
ご興味のある方は新着情報をお調べした上でお訪ねください。最寄り駅はメトロのシャンゼリゼ゙・クレマンソー駅。


続!江戸・東京を旅しよう

明治時代、文学の足跡を辿るたび<3>


〜漱石・鴎外・一葉の東京と作品を訪ねて〜

■早稲田大学のキャンパスを歩く
大隈講堂を背に早大正門を入って直進すると、キャンパスの中央辺り、早稲田大学の創設者にして象徴!
ガウン姿の大隈重信(おおくま しげのぶ)翁の銅像に行き当たります。
早稲田大学は、明治15年(1882年)「東京専門学校」の名で創立され、現在に至るまで我が国私立大学
の雄として多彩な人材を世に送り続けてきました。
早稲田の学生と聞けば、年配の方には「四角い角帽に学生服をバンカラ風に着て下駄で闊歩する」と
いったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、もちろん21世紀の今、ワセダにそんな学生さんは
いません。携帯電話でメール、現代風ファッションの若者たちが行きかうキャンパスのなか、大隈重信像
から右に曲がり、演劇博物館を右手に見て真っ直ぐ歩いていくと北門に辿りつきます。門を出てグランド坂
を右折し、新目白通りに出た左手、都電荒川線の始発、早稲田停留所が見えてまいりました。

■ 都電荒川線
かつては首都東京の交通の王者よろしく、都内を縦横無尽に走り回っていた路面電車も、自動車・バスや
地下鉄の普及により次々と廃止されるなか、唯一生き残った荒川線は、明治44年に営業が開始された
「王子電気軌道」の路線を引き継ぎ、今も荒川区の三ノ輪橋から早稲田までの約12kmをおおよそ50分で
ゆったりと走っています。
また、駅ではなく「停留所」と呼ぶのも、何かのんびりしていていいですよねえ。荒川線は、地域住民の足
であることはもちろん、都内の名所を巡る観光電車の役割も果たしています。今日は「雑司ヶ谷」に急ぐの
で道草できませんが、いつか、途中の「面影橋」「学習院下」「鬼子母神」にも下車し、駅、じゃなかった、
停留所の周りをゆっくり散策したいものですねえ。
特に、安産の神様としてつとに有名な「鬼子母神」は、樹齢600年の大銀杏や江戸時代から続く駄菓子屋
さんなんかがあり、その先には「鬼子母神けやき並木通り」という散歩や散策に最適な古い並木道もございます。

■漱石はサウスポー?
さて、雑司ヶ谷までの都電のなか、少し漱石のお話をいたしましょう。
漱石の母千枝は、四谷にあった質屋の三女でございました。気品があり、和歌も詠む才女であったと
いわれています。漱石は、幼名を金之助と名付けられ、きんちゃん呼ばれておりました。
ところでこのきんちゃん、左利きでございました。左利き、野球用語でいうサウスポーは、洋の東西を問わ
ず、独創的な天才が多いといわれています。レオナルド・ダ・ヴィンチ、アインシュタイン、ピカソ、チャップリン、
現代ではビル・ゲイツ、又、漱石の親友正岡子規も左利きでございました。
ちなみに日本人の利き手の比率は世界的に見て低く、右利き9人に対して左利き1人、とのことでございます。人の利き手がどうやって決まるのかは諸説あり今もはっきりとは解明されておりません。
『坊ちゃん』は右手で書かれたということですから、恐らくは子供時代に矯正されたのございましょう。
幼少期における利き手の矯正は、幼児に非常に強いストレスを与え、その後の人格形成にも影響すること
が多いといわれております。
また、漱石は2歳の時養子に出され、里親の夫婦の不仲が原因で9歳の時、再び夏目家に戻されています。
更にその頃、漱石は疱瘡(ほうそう)を患い、鼻の頭とほっぺに痕(あと)が残ってしまうのですが、漱石は
成人した後もこの疱瘡の痕を気にして、自分の写真は必ず修整を施したということでございます。
千円札の写真は修整されたものでございましょう。ちょっと屈折した漱石の美意識が伺えるエピソードだと思われませんか?
いずれにせよ、幼少期で経験した〝利き手の矯正〟〝里子〟〝病気による顔の傷痕〟といった重く暗い
出来事が、漱石の文学作品に独特の陰影や屈折感を醸し出している、というのが漱石研究者の一致した
意見でございます。

【つづく】