ダウンタウンの在ロサンゼルス日本国総領事館にパスポートの更新に行ったあと、運営再開のニュースをテレビで見て以来気になっていた「エンジェルスフライト」の乗り場がすぐ近くにあることを発見。乗車してみることにしました。

エンジェルスフライトは「世界一短いケーブルカー」というだけあって、全長はわずか298フィート（約90.83メートル）しかありません。途中で上りと下りが行き違う部分を除くと単線で、領事館が入っているカリフォルニア・プラザなどのオフィスビルが立ち並ぶバンカーヒル（サウスグランドアベニュー）と、ヒルストリートを結んでいます。

乗車時間は数分と非常に短いのですが、料金も片道たったの25セント。往復しても50セントしかかかりません。

エンジェルスフライトはもともと、現在よりも2ブロックほど北西のオリーブストリートと、ヒルストリートを結ぶケーブルカーとして1901年に創設され、1969年に同地域が再開発されるまで運用されていました。その後1996年に、現在の位置に移動して運営を再開。ところが2001年の事故で死亡者が出たため閉鎖となり、2011年1月10日、ようやく再開の運びとなったのです。

オレンジと黒のケーブルカーは2両あり、それぞれ「オリベット（Olivet）」「Sinai（サイナイ）」という名前がついています。

私たちは、バンカーヒル側、つまり下りのケーブルカーにまず乗車しました。わずかな距離ですが、勾配がかなり急なため、車窓からの景色はなかなかです。しかし何せ距離が短いので、景色を楽しんでいるうちに、あっという間に到着してしまいました。

エンジェルスフライトは、ヒル側にある駅構内のエンジンでケーブルを引っ張り上げる仕組みで、片方が上ると、もう片方は重力で下るようになっています。つまり、上下線が必ず同時に動くのです。

ヒル・ストリートに着いたところで、降りたケーブルカーに再度乗車。今度は上りを楽しみました。

現在は1年365日無休で、朝6時45分から夜の10時まで営業しているエンジェルスフライト。カリフォルニアプラザに隣接しているので、領事館に立ち寄る用事があれば（なくても）、ぜひ乗ってみてください。50セント分以上の価値があることうけあいです。ちなみに下から乗る場合の駅は、地下鉄レッドラインのパーシングスクウェア駅のそばで、フォースストリートとヒルストリートの角にあります。