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アラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦在住の現地記者が各地のお祭りやイベント、ご当地グルメからおもしろスポット、生活のひとコマまでフレッシュな現地の情報をお届けします。

未来都市・MASDAR CITY (マスダールシティ)

空港近くのアブダビ郊外の砂漠に最先端エネルギー技術を集結した近未来型エコシティを造るという壮大な都市計画が2006年にはじまりました。それがマスダールシティです。将来的には約4万人以上が住み、太陽エネルギーやその他の再生可能エネルギーを駆使しゼロ・カーボン(二酸化炭素)、ゼロ廃棄物の都市を目指しています。世界自然保護基金(WWF)などの支援も受け、UAEの未来をも担う壮大なプロジェクトなのですが、2009年の金融危機等もあり、計画内容の変更を余儀なくされた上に進行もかなり遅れています。現在の進捗状況はまだ全容の5%ほどにすぎません。完成は2030年に延期されたものの、実現するかはまだ未知数です。

 

居住者はマスダール工科大の大学院生を中心に300名ほど、370社がオフィスを構え、外部からの通勤者は5000人ほどいるそうです。

 

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まだまだ完成にはほど遠いマスダールシティですが、現在はアブダビの観光地のひとつとして訪れる人が少なくありません。わたしも先日はじめて行ってみたのですが、なんといっても近未来的なモダンな建築物に魅了されました。SF映画の撮影にも使えそうなフォトジェニックなビルや町並みに何度もシャッターをおしてしまいました。以下、そんな町の様子をご紹介します。

 

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こちらはアラブ風の装飾と曲線が美しいモダンながらも砂漠にとけ込むようなデザインでマスダールシティの象徴的なビルです。どの角度からも美しいです。こちらは学生の宿舎として使われているそうです。

 

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上を見上げると太陽光パネルが。実用的なパネルでさえデザインの一部に。本来はこのようなシティ内のシステムだけで使用するすべてのエネルギーをまかなう予定でしたが、その後の計画変更で外部の太陽光発電所からも調達することになったそうです。

 

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<仕組みを説明しているボード>

 

こちらはウィンドタワー(風の塔)です。上から風を取り込み空気を冷やし地面に吹き流す仕組みで周りの気温を平均で6度も下げることができます。これはアラブの伝統建築を現代風にアレンジしたもの。ほかにも流線型を中心とした設計や建物間の距離を狭くして日陰を作る工夫をしたり、自然を利用する工夫や古き良きものも取り入れての研究はすばらしいです。

 

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<こちらが昔からあるウィンドタワー。暑い国だからこその知恵です。>

 

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そしてこちらがマスダールシティ自慢の電動自動車です。これは”Personal Rapid Transit (RPT)”と呼ばれていて、敷地内の軌道上を無人走行しています。中は4人乗り、革張りの2人掛けシートが対面であり、車内にあるタッチパネルでエアコンや行き先を設定する等の操作ができるようになっています。いまは駐車場と中心のビルまでの往復のみの走行で最高時速40km、スムースな運行で乗り心地抜群な体験ができます。

 

他にもこんな宇宙っぽい(?)風景があったり、

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アートな螺旋階段があったり、

 

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建物探訪として楽しめました。敷地内にはカフェやレストラン、オーガニックスーパーマーケットや銀行などもあります。

 

石油資源に恵まれここまで発展を続けて来たUAE。でも昨今、その資源にも限りがあることに危機感をつのらせつつあります。そこで次世代エネルギーの分野でも大国であり続けるための布石としてはじまったプロジェクトで、プライドにかけても未来のためにも重要な実験都市であることに違いはありません。これからも計画が成功に向けて発展して行くことを祈るばかりです。

 

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MASDAR CITY
http://www.masdar.ae

現地記者:
長野真弓

2012年9月よりアブダビ在住。イラン、サウジアラビア等中東を中心に海外在住暦約10年。イランでペルシャ絨毯にはまり、インテリアと写真と書く事が趣味の主婦。インテリアコラムはこちらで。

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