89(ハンキュー)BLOGチャンネル 世界はちょっと楽しい!-海外現地情報ブログ-

ペルー

ペルー在住の現地記者が各地のお祭りやイベント、ご当地グルメからおもしろスポット、生活のひとコマまでフレッシュな現地の情報をお届けします。

マルティン・チャンビ写真展

「Martín Chambi Jiménez/マルティン・チャンビ・ヒメネス」という写真家をご存知でしょうか?
1891年にプーノ北部の貧しい農村に生まれたチャンビは、子供の頃に見た「写真」に心を奪われ、当時アレキパで最もエレガントなスタジオと謳われた写真館の主、マックス・T・バルガスに師事。
1917年に独立し、最初はクスコ州のシクアニで、1920年にはクスコの街に移って活動を始めました。
ラテンアメリカ初の先住民写真家として知られるチャンビの作品には、自らが生まれ育ったアンデスへの深い愛情と敬意が込められており、そこで生きる同胞たちの力強さや逞しさ、日々のささやかな喜びや悲しみが見事に表現されています。
そんなチャンビの見た世界を紹介する写真展が、セントロのリマ美術館で開催されました。
 
 
PE_20151201_01.jpg.JPG
「CHAMBI/チャンビ」と題されたマルティン・チャンビの写真展。
2016年2月14日まで、「Museo de Arte de Lima/リマ美術館(通称MALI)」の1階奥のギャラリーで開催中。
 
PE_20151201_02.jpg.JPG
1925~30年ごろのものとされる、「スタジオで働くマルティン・チャンビとアシスタントたち」と題された一枚。
説明には「ゼラチン乾板による紙への印刷」とあります。
当時、チャンビのスタジオは多彩な人々が訪れる一種の文化的サロンとなっていた(※)そうです。
(※出典:細谷広美・編著/ペルーを知るための62章)
 
PE_20151201_03.jpg.JPG
チャンビ愛用のカメラもいくつか展示されています。
これはドイツ製のICA Trix(1910-1926年)。
乾板が発明され、機材の持ち運びが容易になったことで、様々な歴史の一ページが後世に残せるようになったんですね。
 
PE_20151201_04.jpg.JPG
「スタジオのマルティン・チャンビと家族(1930年)」
奥さんと子供たちに囲まれたチャンビの、力強い視線に惹きつけられます。
 
 
「インディオは文化など持っていないと考えられていた。奴らは野蛮人だと。
私はそんな風に考えたことは一度もない。
なぜなら自分と根を同じくする兄弟たちや他の人たちのことを知っているから。
しかし、最も説得力のある意見はグラフィックスだと思う。だからこそ、私はこの仕事を始めたのだ」
展覧会で販売されているパンフレット(S/.1)の冒頭には、チャンビの言葉が書かれています。
今では世界中で高く評価されているチャンビの一枚は、差別と偏見に満ちた社会に対する先住民としてのささやかな抵抗から始まったのです。
チャンビの前では、クスコに暮らす富裕層も、土まみれになって働く先住民も同じ人間であり、一つの被写体として同列に扱われています。
 
PE_20151201_05.jpg.JPG
「フリア・ガスコ・ウルタード、ホセ・アベル・モンテスの花嫁(1929年)」という写真の横に立つこの男性は、なんとこの写真のモデルになったフリアさんの孫。
「その昔、祖母が『私はチャンビのモデルになったことがあるんだよ』と話してくれたんです。今日その一枚と出会えて、心から感動しています」とのこと。
ちなみに写真の美しい建物は、現在クスコ市営図書館として一般に開放されています。
現在もこの階段は存在しますが、優雅な手すりやレトロなランプは残念なことに今はもう残っていません。
 
 
PE_20151201_06.jpg.JPG
およそ400点もの写真が展示された館内は、写真撮影可(ただしフラッシュは厳禁)。
ペルー人にとってチャンビは祖国の誇り。
この日もカメラを抱えたファンが多く訪れていました。
 
 
PE_20151201_07.jpg
展示物はスペイン語と英語で解説されています。
館内は冷房がよく効いているので、一枚羽織るものを持ってお出かけくださいね。
 
 
★Exposición de Martín Chambi/マルティン・チャンビ写真展★
場所:Museo de Arte de Lima(MALI)
住所:Paseo Colón 125, Parque de la Exposición
会期:2015年2月14日まで
時間や入場料については、MALIのサイトをご確認ください。
MALIの公式サイト:http://www.mali.pe/
 

現地記者:
原田慶子

ペルー・リマ在住ライター。
ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。
ペルーに関する情報誌等の取材協力。

人気のテーマ

現地情報ブログの記事は、現地在住の一般の方により執筆されています。(阪急交通社社員の作成した記事も一部含みます。)
ブログ掲載後、情報が変更になっている場合がございます。
記事内に書かれたWEBサイトへのリンクは阪急交通社が管理していないものも含みます。
掲載されている情報を活用される際は、ご自身の責任で判断していただくようお願いいたします。