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スイス

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新紙幣シリーズに20スイスフラン紙幣が登場

2016年の4月から流通開始となったスイスの新紙幣(シリーズ9代目)。新シリーズの第一弾として昨年最初に登場した50スイスフラン紙幣は順調に流通していて、現在までに全流通量のおよそ3分の2が既に新紙幣と交換されているとのこと。銀行のATMやスーパーのレジなど日常生活上では、旧50スイスフラン紙幣はもう見る機会がなくなっている。
 
今年の5月17日には、新シリーズ第二弾の20スイスフラン紙幣がお目見えした。
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(右が旧紙幣、左が新紙幣)
私が新20スイスフラン紙幣を実際に手にしたのは流通開始から1週間ほど経ってからで、今現在(6月6日)もレジでお釣りを受け取る時などは旧紙幣が渡されることもあるが、数か月後にはこれもほぼ全て新紙幣に取って代わることになるだろう。

 
新シリーズ紙幣の色は赤色。モチーフの主題は「光」ということで、表面には手に持ったプリズムとそれを通して出る光の帯が描かれている。
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紙幣を手にしてパッとわかる大きな特徴は、いわゆる人物の肖像画が描かれていないことと、旧紙幣と比べてちょっとだけ小さいことだろう。新紙幣シリーズには、UV繊維やホログラム・特殊なインクなど、最新技術による偽造防止のための様々なセキュリティが施されている。例えば、紙幣表面の左側にはスイスの国章が縦に5つ配置されているのだが、それぞれが異なる特殊な技法によって描かれている。

 
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(5つの国章のうちひとつは、紙幣を斜めにかざして初めて見える)
国章の描画技法は新シリーズの全紙幣で共通だが、20スイスフラン紙幣には他にも以下の様な特徴が見られる。

 
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(星座が施された特殊インクの地球儀)

 
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(万華鏡の映像をモチーフにした細密背景画)

 
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(惑星や恒星の地球からの距離を光年―秒数―で表した極小文字)
セキュリティについては公式には15の特色があるとのことだが、公表されていないもっとたくさんの「仕掛け」があるのではと私は思っている。
 
 
新紙幣シリーズは視覚障害がある方にも好評で、触覚で紙幣の種類がわかる「識別マーク」が、旧紙幣に比べて各段に分かり易いとのこと。識別マークは凹凸印刷された6本1組から成るバーコード風のもので、これが20スイスフラン紙幣には紙幣表面の長辺の上部両端に2組ずつ(50スイスフラン紙幣には3組ずつ)配置されている。
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(緑線で囲った部分が識別マーク)

 
…とここまで書いて、実はスイスの紙幣は、世界でもかなり珍しい縦フォーマットのデザインであることを改めて認識した。ざっと調べてみたところ、スイス以外で縦フォーマットの紙幣を採用しているのは、イスラエルとベネズエラだけの様子。スイスでは1956年に発行されたシリーズ5代目の紙幣で紙幣裏面の数字が縦位置読みにレイアウトされたのを皮切りに徐々に縦位置化が進んでいる(!)が、それ以前はごくフツーの横フォーマットの紙幣だったのだ。スイスは色々と一風変わった国だが、これもスイスの独自性を象徴する特徴のひとつかもしれない。
 

現地記者:
Asami AMMANN-HONDA

スイス東部トゥールガウ州の農村在住。
元書店員、現在は兼業主婦(介護補助士&日本語教師&日独英通訳)。
趣味はスポーツ・園芸・料理、専門は音響映像技術。

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