オフロード自転車と長靴の日・シクロクロス/ラードクエア

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スイス

2014年1月27日
カテゴリー:ヨーロッパ | スイス

オフロード自転車と長靴の日・シクロクロス/ラードクエア

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シクロクロスCyclocrossというスポーツがある。起伏に富んだ地形に設定されたコース上で、様々な条件の路面(普通の舗装道、自然道、畑や放牧地の脇など)を走り抜ける、オフロード自転車競技のひとつだ。基本的に冬(11月頃~2月頃)に行われる競技で、日本でも一昨年から東京のお台場で毎年2月に大きなレースが開催されているので、名前を聞いたことがある方も多いかもしれない。

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20世紀初頭から始まったというシクロクロスは、欧州ではとても人気がある自転車競技のひとつ。スイスではラードクエアRadquerという名前で呼ばれていて、1912年には最初のシュヴァイツァー・マイスターシャフトSchweizermeisterschaft(スイス選手権、つまりスイスの国内チャンピオンを決めるレース)が開催されている。

 

1976~79年にはスイス人ラードクエアの代表選手であるアルバート・ツヴァイフェルAlbert Zweifelが世界選手権で4連覇を果たした(そして1986年にも再び優勝した!)こともあり、当時は大変ポピュラーな競技だったのだそうだ。1989年のツール・ド・フランス第16ステージでの優勝を皮切りにして1990年代の自転車ロードレースで活躍したスイス人選手パスカル・リシャールPascal Richardも、元々はラードクエアの選手だ(彼も1988年のラードクエア世界選手権で優勝している)。

スイスでのラードクエア人気には長らくの間陰りがあったが、近年は再び脚光を浴びつつあり、現在では各地で頻繁に大会が開催されている。

 

私が住んでいるトゥールガウ州でも、ブスナンBussnangという村で毎年1月にラードクエア大会が開催されている。今年の大会は1月12日に行われ、エリート(プロ選手)カテゴリーのレースが「スイス選手権」に該当。優勝者はスイスチャンピオンになるのだ。

ブスナン村のラードクエア大会では、スタート/ゴール地点の直線のみが舗装道路。後はすべて近隣の丘斜面を利用した農地や放牧地の中を通る自然道だ。

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(東スイス地方の典型的な美しい農村風景が広がるブスナン村。写真左側に見える石造りの鉄道橋は、村のシンボル的存在だ)

今年は暖冬(今のところは!)なので風景が全く冬っぽくないのがちょっと残念なのだが、冬の放牧地・農地ということから想像できる通り、コースは全体的に泥だらけ。これは走行コースだけでなく観客がいる部分も同じなので、観戦には長靴など泥汚れを想定した靴や服装の準備が必須になる。

 

ラードクエアはそもそもはロードレース競技者が冬季にトレーニングの一環として行ったものだそうで、使う自転車の外見はドロップハンドルに細見のフレームとロードバイクに近い。見た目でパッとわかる大きな違いは、ブレーキの構造とリムの高さ、そしてタイヤにプロフィール(溝)があることだ。

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(ラードクエア競技用の自転車。カッコいい!)

シクロクロス/ラードクエア競技については、冒頭で紹介した「シクロクロス東京」大会のウェブサイトにある説明が大変詳しいので、そちらをご覧いただきたい(リンクは記事本文下にあります)。

 

コース中には上り・下り急斜面や急カーブ、板で作った数十センチの壁などの障害が複数ヶ所設けられている。板壁障害は自転車に乗ったままジャンプして通過する選手もいるが、上り急斜面ではもれなく自転車を担ぎ、自身の足で登らなければならない。自転車を担いで斜面を登る選手たちの姿は、ラードクエア競技を象徴するシーンのひとつだ。

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泥だらけの選手が自転車(ラード)と一緒に荒れ野を縦横に走り回る(クエア)姿は迫力満点。

ラードクエア競技ではコース中にいわゆる「ピットレーン」が設置されていて、そこで自転車の交換ができるシステムになっている。

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(ピットレーンで待機するスタッフたち)

泥が詰まったりパンクしたりした自転車はそこでチェンジされ、各チームのスタッフ(もしくは選手の友人・知人など)は修理・洗浄した自転車を再びピットレーンに持っていって次の交換に備えるという訳だ。

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約1時間の競技中には、彼らスタッフと一緒に観客もコースのあちこちに移動しながら観戦するので、全員がもれなく泥まみれになる。

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長靴に付いた泥を洗ってくれるコーナーがあったのは親切だ。

ちなみに記事1枚目と2枚目の写真は、2010年のブスナン・ラードクエア大会時のもの。4年前の大会当日は、快晴の空の下うっすらと雪が積もり、コース上はぬかるみ&泥という絶好のラードクエア日和だった。

 

今年の大会プログラムはスイス選手権をメインにしたものだったので、例年のものとは構成が多少異なっていた。通常のブスナン・ラードクエア大会ではミリテアーMilitär(ミリタリー、つまり「軍隊」)という人気カテゴリーがあり、これは競技用の自転車ではなく、スイス軍名物の軍用自転車で走るもの。着用するのも普通の自転車競技用ウェアではなく、スイス軍のミリタリー服だ。このスイス軍自転車、強固な造りに加えて実はかなり速いことでも有名。来年の大会ではミリタリー・カテゴリーもあるはずなので、興味のある方はトゥールガウ州の農村散策と合わせて観戦にいらっしゃってはいかがだろうか。

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スイス選手権の表彰台にて:2010年以来4年ぶり・2度目のスイスチャンピオンになったルカス・フリュッキガーLukas Flückiger選手(中央)

 

 

 

ウェブリンク

 

ブスナン村のラードクエア大会 Radquer Bussnang

wwww.radquerbussnang.ch

リュックブリックRückblick(前年までの大会の様子)ページには、ミリタリー・カテゴリーの写真も。

 

シクロクロス東京

www.cyclocrosstokyo.com

今年のレースは、東京・お台場海浜公園にて2014年2月8日(金)・9日(土)開催。

競技についての詳しい説明や各種写真もある。

 

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現地記者:Asami AMMANN-HONDA
スイス東部トゥールガウ州の農村在住。
元書店員、現在は兼業主婦(日本語教師&日独英通訳)。
趣味はスポーツ・園芸・料理、専門は音響映像技術。
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