猫も一緒に春探し

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スイス

2012年3月12日
カテゴリー:ヨーロッパ | スイス

猫も一緒に春探し

今年の2月の欧州を覆った寒波はすごかった。雪と氷河とアルプスの国スイスとはいえ、我が家周辺のような平地(標高400メートル前後)における通常の冬の最低気温はせいぜいマイナス10度程度。そんな平地で平均気温マイナス15度の日が1週間以上も続いた今年はちょっと普通ではなかった。家の前を流れる小川は完全凍結して村の子供達の遊び場になり、隣人宅では洗濯機に繋がる水道管が凍った。それでもどっこい季節は廻るもので、庭や放牧地には少しずつ春の始まりが見えつつある。

 

雪が少なくなって地面(というよりは秋に降り積もった落ち葉)が再び姿を見せるようになると、まず目につくのがニースウルツNieswurz。

 

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レンツローゼンLenzrosen(レンツとはドイツ語の雅語で「春」、ローゼンはバラなので「春バラ」という意味になる)の別名もあるこの花は日本ではクリスマスローズと呼ばれるそうで、春に咲くのに何でクリスマスか?というと『「クリスマスローズ」という呼称はクリスマスのころに開花する「ヘレボルス・ニゲル」だけを指した呼称であるが、日本の園芸市場では「レンテン・ローズ」と呼ばれる「ヘレボルス・オリエンタリス」なども「クリスマス・ローズ」の名前で出回る』(ウィキペディアより)のが理由だそうだ。ヨーロッパには現在も各地にニースウルツが自生しているが、義理の母の記憶によると「(家の庭に出るニースウルツは)恐らく20年ほど前にこの家を借りて住んでいた庭師の方が植えたもの」とのこと。花色は濃い赤紫や薄緑のものが多く、せっかく花―正確には花びらに見える部分は「ガク」が変化したものなのだそうだ―が開いても周囲にある落ち葉の茶色に埋もれてしまいがちなのは残念なところだ。

 

次に枯れ葉や残雪を押し分けて伸び出すのがシュネーグロックヒェンSchneeglöckchen(スノードロップ)とメルツグロックヒェンMärzglöckchen(スノーフレーク)。両者にあるグロックヒェンという言葉は「鈴」の意なので、頑張って訳すと「雪鈴」と「弥生鈴」となるだろうか。

 

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どちらも球根植物で、家庭の庭先だけでなく野草としてその辺の野原や道端にも多く見られ(特にシュネーグロックヒェンはどこにでも生えている感じがする)小さなカタマリを作って群生する。メルツグロックヒェンは小さなお椀形花冠をつくる花弁の先端部分に黄緑色の斑が付いているのが特徴だ。陽が昇って気温が上がると花弁を開くのだが、それを働き者のミツバチがいち早く嗅ぎつけるのはすごい。

 

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陽だまりに咲くウィンターリンゲWinterlinge(節分草)は、スイスの早春の初期段階においては恐らくほぼ唯一の春色花。

 

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単数形ではウィンターリングWinterlingとなり、欧州アンティーク陶磁器ファンの方はドイツの同名陶磁器メーカ(陶磁器メーカー名としての「ウィンターリング」は創設者である7人兄弟姉妹の姓をとったものなので、植物とは直接の関係はないのだけれど)をご存知かもしれない。これらの後には日本でもお馴染みのオオイヌノフグリ(ドイツ語ではエーレンプライズEhrenpreis)やプリムラなどが咲き始める。野生のプリムラは今日園芸店で見られる鮮やかな色で大きな花の改良種に比べると大変控えめなたたずまいだが、茶色や寒色がメインの早春には薄黄色やピンク色の優しい色使いが嬉しい。

 

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スノードロップ達の花の終わりと前後して出てくるのが、美しい青紫色のブラウシュテルンヒェンBlausternchenなど各種シラー類やクロッカス、オスターグロックヒェンOsterglöckchen(ラッパスイセン)、ヒヤシンス等。

 

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林道脇にはシュリュッセルブルーメSchlüsselblume(プリムラ・ヴェリス)やルンゲンクロイターLungenkräuter(ラングワート)なども見られる。

 

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春色花の主役であるこれらが出るのは3月半ば頃からだ。そして3月半ばと言えば忘れてはならないのがコレ!

 

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私にとって花よりも葉っぱの方が重要なこの植物は「ベアラオフBärlauch」。日本のギョウジャニンニクの親戚で、美味しいだけでなく健康にも良いという素晴らしい野草だ。ベアラオフについては次回以降に料理レシピなどを交えて詳しく紹介したい。

 

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庭で写真を撮っていたら好奇心旺盛な猫が見物に来た。春の匂い、するかい?



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現地記者:Asami AMMANN-HONDA
スイス東部トゥールガウ州の農村在住。
元書店員、現在は兼業主婦(日本語教師&日独英通訳)。
趣味はスポーツ・園芸・料理、専門は音響映像技術。
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