【スペイン】バレンシアでおいしいワイン作りにこだわるフィンカ・サン・ブラス

フィンカ・サン・ブラス スペイン

スペインは世界3位のワイン生産量を誇るワイン大国。ブドウの栽培面積では世界一です。

私もやっと3年ほど前からワインの美味しさがわかるようになり、遅ればせながら少しずつワインに対する理解を深めているところです。先日は、バレンシア西部にあるレケーナという町のワイナリー見学に行って来ました。

バレンシア州には、DOバレンシア、DOアリカンテ、そしてDOウティエル・レケーナの3つの原産地呼称があります。レケーナはバレンシア市から西におよそ70km離れた海抜700mの台地に位置します。

隣接するウティエルの町と合わせて約40,000ヘクタールのワイン産地が広がり、土着品種の黒ブドウ"ボバル"で有名です。今までは国内外のワイナリーにブドウを売ることが多くあまり知られていない産地だったのですが、最近ではおいしいワインをつくるワイナリーが増えてきて注目を浴びています。

フィンカ サン ブラス

さて、今回訪問したのは、フィンカ・サン・ブラス。日本にもワインが輸出されているので、スペインワイン通の方ならご存知かも。父親からワイナリーを継いだ若きオーナーのアントニオ・サオネロと醸造責任者のニコラス・サンチェスが切り盛りする家族経営のワイナリーです。

ニコラスはスペインでも有名なワイン学者で、バレンシア大学やレケーナの醸造学校で教鞭を執っています。天才醸造家として世界で最も注目される醸造家のラウル・ペレスや、スペインを代表するワイナリーのベガ・シシリアの醸造責任者ハビエル・アウサスも教え子だとのこと。

オーナーと醸造責任者



<右が2代目オーナーのトニー、左が醸造責任者のニコラス>

ワイナリーは、レケーナの町から車で5分ほどのところにあります。最初にブドウ畑を見学。

ぶどう畑

合計75ヘクタールの畑のおよそ半分はテンプラニージョ、それ以外にはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、土着品種のボバル、シャルドネ、シュナン・ブランなどが栽培されています。

最初に見たのは、9月の1週めに収穫するというシャルドネ。受粉からだいたい3か月が収穫のタイミングだそうです。

それからシュナン・ブランの畑へ。肥料や土壌にはオーガニックなものを使っているそうで、水にも特に栄養剤は入れていないとのこと。また、光合成のために葉の表面積を増やす目的で、最近多くなっている垣根仕立てを採り入れています。この方法だと、畑の中での機械作業がしやすくなる上、風通しも良くなるというメリットがあるそう。

ちなみに、自社ブランドワイン用のブドウはすべて手摘みだとのことでした。

ブドウの花
<ブドウの花がこんな風だとは知りませんでした>

ブドウ畑の後は、醸造所へ。こじんまりした醸造所は商業主義のワイナリーとは一線を画していて、好感が持てます。赤ワインは第1次発酵、第2次発酵の後、樽に入れて早いものだと4か月、長くて2年ほど寝かされますが、白ワインは第一次発酵の後にボトリングされるとのことでした。

フィンカ サン ブラス

サン・ブラスのブランドでは年間およそ5万本のワインを生産しているそうです。

第2次発酵室



<第2次発酵室はこんな様子>

最後はお楽しみの試飲タイム。次の3種類のワインを飲ませていただきました。

◆コンベニエンシア・ブランコ 2012

コンベニエンシア ブランコ

ブドウ品種:シャルドネ(25%)、メルセゲラ(25%)、ピノ・グリ(25%)、ヴィオニエ(25%)

白い花の芳醇な香りが際立ち、その他にも洋ナシやリンゴ、ほんのりと柑橘系の香りで、味わいはフレッシュ。心地よいフィニッシュと長いアフター。

◆ラス・オルマス 2006

ラス オルマス

ブドウ品種:メルロー(90%)、テンプラニージョ(10%)

ワインの力強さを感じさせる香りを持ち、自生の黒系果実やスパイス、バニラを思い起こす香り。力強く、グラマーかつクリーミーな味わい。

◆ロマルタM&S 2012

ロマルタ エム アンド エス

ブドウ品種:メルロー50%、シラー50%

飲む少し前に抜栓すると、ほのかにプラムやキイチゴなどの果物やスミレの花の香り。口に含むと、やわらかでまるい、とろけるような滑らかさ。タンニンに荒さやとげとげしさはまったく感じられず、非常にきれいなフィニッシュ。

※香りや味わいは、公式サイトの日本語ページを参考にさせていただきました。

どれもとても飲みやすくおいしかったです。ワインの話を聞くたびに、その果てしない奥の深さに驚かされます。まだまだ初心者の私には色や香り、味を識別、表現することは困難ですが、おいしく飲めればそれがベスト!ですよね(^^;)

Finca San Blas(フィンカ・サン・ブラス)

<日本語ガイド付きワイナリーツアー>

  • 見学可能日:基本は月曜日〜金曜日(平日)※時間も含めご相談ください
  • 訪問時間:約1時間30分
  • 内容:畑、ワイン製造施設ご案内、3種類のワインの試飲
  • 料金:80ユーロ/グループ
  • 詳細:日本語ガイド付きワイナリーツアー

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田川敬子(Keiko Tagawa)

1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。

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