世界一のお菓子消費量を誇るスウェーデン

世界中でお菓子は消費されていますが、スウェーデン人の年間平均お菓子消費量は近年の統計をみると約17キロ。スウェーデン人は世界で最も多くお菓子を消費している国民となります。この17キロという数字は欧州連合(EU)国の平均お菓子消費量のなんと二倍。砂糖の一人当たり平均年間消費量だけを見ても WHO(世界保健機関)が推奨するなんと三倍の50キロ。20年間の間にスウェーデン人の平均体重が5キロ増加したのは、このお菓子が原因ではないかと考えられています。お菓子は日本はもちろんの事、世界中で手に入りますが、なぜスウェーデンの消費量は世界のそれより多いのでしょう。

それはスウェーデンのスーパーなどで見られる大人にも子どもにも大人気のplockgodis(ブロックグーディス)と呼ばれるものが原因ではないかといわれています。Plockは【摘み取る】【選んでとる】という意味があり、godisはお菓子。Plockgodisはつまり【(自分で)選ぶお菓子】。

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チョコレート、グミ、キャンディー、などが個別に入った何十種類ものケースから好きなお菓子を選び、専用のスコップを使い袋に入れ、その袋の重さで値段が決まるという、いわゆる量り売りお菓子の事をいいます。

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(専用のスコップを使って袋に入れていきます)

量り売りのお菓子は以前から存在したようですが、当時は販売方法が今と少し違いました。というのも、以前は欲しいお菓子の名前をカウンター越しに店員へ直接言い、その店員が袋にお菓子を入れてくれ、その後に清算という方法だったのです。それが1985年からは、選んだお菓子を自ら袋に入れるという方法になりました。このplockgodis、スーパーはもちろんの事、コンビニエンスストアやビデオレンタルといったお店でも買う事ができ、国内販売総量が 48,000トンという数字から見てもわかるように、スウェーデン人のお菓子文化にとって大切な販売形態の一つとなっています。

好みのお菓子を好きな量だけ選べるのが利点ですが、逆にこれが食べ過ぎの原因となり問題となっているわけです。

お菓子と言えば、日本の北欧好きの方の間で「世界一不味いお菓子」と呼ばれる評判の悪いお菓子のlakrits(ラクリッツ)と呼ばれるリコリス菓子。不味すぎて飲み込む前に吐き出してしまう人もいる程のお菓子ですが、それがスウェーデンでは人気お菓子上位5位に入る程人気なんです。

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グミ状のこのお菓子、赤や黒、様々な色や模様のものが販売されていますが、スウェーデンで人気なのは何といっても黒のラクリツ。外見だけを見ても決して美味しそうなお菓子だとは言えません。それでも子供達にも人気のこのラクリツ。苦さが強く、まるで薬を食べているような感覚に陥ってしまいますが、それもそのはず、このラクリッツに使われている甘味料はスペインカンゾウと呼ばれる甘草の根を乾燥させたもので、薬用にも利用されているんです。

幼い子供が嬉しそうにこのラクリッツを食べている姿を見ると複雑な気持ちにもならないわけではないのですが、国民の舌の違いだと思うとこんなところにも文化の違いが、と思わずにはいられません。また、ラクリッツは、ラクリッツ味のアイスクリーム、ラクリッツ味のお酒、ラクリッツを使ったスキンケア用品などお菓子以外の商品に使われています。

ちなみに、このラクリッツ、サルミアッキと呼ばれる事もありますが、厳密に言うとサルミアッキという言葉はフィンランド語で、ラクリッツの一種です。スウェーデン語ではsalmiakgodis(サルミアクグーディス)と呼ばれ、塩化アンモニウムが加えられた塩味が特徴のラクリッツです。

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北欧土産に美味しくないけれど忘れられないお菓子、なんていうのも話のネタになるかもしれませんね。

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