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イタリア

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ナポリは治安が悪いというのは本当か?体験実録

イタリアの中でも特に治安が悪いと言われる街ナポリ。その噂が本当なのかどうか、日本人の筆者が現地で体験したナポリ治安体験記です。
 
ヴェスビオ火山に代表されるダイナミックな景色、活気にあふれる港や街、ピッツァや魚介料理などの美味しい食べ物。そんな夢のような要素が詰まったナポリですが、路上のゴミ問題やマフィアの台頭、そして何より治安の悪さなど、ネガティブな言葉を聞く機会が多い土地でもあります。
そんな悪い印象も強いナポリ観光ですが、実際のところ日本人観光客の目から見た治安はどうなのでしょうか?今回は「治安」という視点から、ナポリ観光の実体験を紹介したいと思います。
 
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私たち家族は毎年ナポリ県に長期滞在していますが、普段泊まっているのは離島であるイスキア島。離島に関して言えば、一般的に言われているようなカオスとは無縁で、治安はイタリアの他都市と比べても良い方だと思います。
ではナポリ中心街はどうなのか。
最も多い犯罪は置き引きやスリですが、実感として、これらは確かに他都市よりも多少注意が必要です。大通りは人通りも多く警察も良く巡回していますが、細い路地散歩がナポリの醍醐味でもあります。そうした細い路地は、スクーターに乗ってカバンを引ったくられたり、スリや強盗が良く出ることで知られた場所でもあります。
しかし、ちょっとした注意でスリを防ぐことは可能です。まず、財布はズボンのポケットなどに入れず、カバンは引ったくりにくいよう脇でしっかりと挟んで持つか、肩がけに。人前で高額紙幣を出さず、お金は小分けにして持つようにしましょう。パスポートはいざという時のためのコピーのみを持ち、原本は持ち歩かない。スマホやその他の貴重品をテーブルなどに置きっぱなしにしない。写真撮影などに夢中にならずに、常に手元に注意を払っておく。
どれも海外旅行では基本的なことですが、ナポリでは改めて気を引き締めて、基本的な注意事項をしっかり守るようにしましょう。ほとんどの場合、相手もプロです。警戒心を持っている人をわざわざ狙うようなマネはせず、気が緩んでいる不注意な観光客を狙うのです。逆に言えば、ほんのちょっと警戒していれば、狙われる機会は激減します。
 
 
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狭い路地は日没後には歩き回らないことも大事です。雰囲気が怪しい人がいたら距離を保ち、万が一ナイフなどで脅された時にサッと渡せる小額紙幣(20~50ユーロ程度)を一枚、財布とは別の場所に忍ばせておくと良いです。
 
スリや強盗などの大きな犯罪以外にも、ナポリの悪名を高めている要素は幾つかあります。そのうちの1つが、物売りや客引き。
夫はイタリア人ですが、ナポリの客引きの強さにはタジタジになっていました。「Ciao どこから来たの?」なんて気楽な挨拶から始まり、親しげな様子を見せた後、「ランチどこで食べるか決まってる?すぐそこにいい店があるから、安くするよ」などと誘導してきます。こっちが断っても客引きがダメなら…と手持ちのポストカードを売りつけてきたり。
一番の対処法は、相手にしないこと。広場でブラブラしている男性などは客引きをしている可能性が高いので、目を合わせず急ぎ足で通り過ぎるようにしましょう。話かけられた場合は、無視するのが一番です。
 
 
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また、ナポリの人には特有のフルビツィアと言われる「ずる賢さ」があり、ちょっとしたずる賢さは責められるよりもむしろ賞賛される傾向があります。近年は昔のようなボッタクリタクシーが減ってわかりやすくなりましたが、日本人相手だと「つい」お釣りを誤魔化そうとしてしまうタクシー運転手はまだ実在します。駅から港など主要な場所は一律料金で車内に料金表が貼ってありますので、キチンと計算して、ちゃんとお釣りをもらうようにしましょう。数年前私が乗った時は端数の小銭のみ渡して紙幣を出してくれませんでしたが、片言でもいいのでお釣りを請求すると、ぱっと揉めることもなくすぐに全額渡してくれました。
タクシーだけではなくお店でもそうですが、彼らはずる賢さをちょっぴり試しただけであって、こちらがそれに気付きさえすれば大きな問題にはしないのが普通です。「試してみただけだよ」というようにペロっと舌を出されたりして、チャーミングさを見せつけられることもあります。
 
そして、若い女性の旅行客にとって最も迷惑なのが、ナンパの多さかもしれません。実際、ナンパは多いです。しかし、ナンパもお釣りの誤魔化しと同じで、「つい」「ちょっと試してみただけ」で、多くはさほどしつこくはありません。きちんと断ることが何よりも大切です。
「君ほど可愛い子は見たことがない」「美人だね」「僕は日本が大好きだから日本のことを教えてくれ」など甘い言葉に騙されてしまう日本人女性も、残念ながら少なくはありません。でもちょっと待って。そんな路上に運命の恋は落ちていません。多くのまともなイタリア人男性は誠実で真面目、ナンパなどしないのです。
笑顔の眩しいイタリア男にどれだけ聞かれても、宿泊先や連絡先などは絶対に教えてはいけません。彼らは本当に会いにやって来るし、言葉巧みに食事やカフェへと誘ってきますが、そんな男にロクな人はいません。後で泣く前に、ナンパ男に引っ掛からない心の強さを持って、楽しい旅にしてもらいたいと思います。
最近の傾向として「一緒に写真を撮ってくれ」「美人だから君の写真を撮りたい」などと言われることもよくあります。旅の思い出だから、と気楽に写真撮影に応じる日本人女性をよく見かけますが、そういった写真が不適切な文章と共にSNS上にアップされない保障はどこにもありません。撮られてしまった写真はもう回収できないのです。旅先でできる友情は素晴らしいものですが、写真撮影は慎重に。
 
 
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ナポリは風光明媚で見どころの多い、素敵な街です。そして、ほとんどのナポリ人は明るく気さくで、とても親切です。私にはナポリ出身の友人が沢山いますが、みな懐の深い、情に厚い人々ばかり。
スリやナンパなど厄介なことが起きやすい土地柄なのも事実ですが、ちょっと気をつけてさえいれば日本人旅行客でも十分にナポリ観光を楽しむことができます。「ナポリを見て死ね」(ナポリを見る前に死ぬのはもったいない)と讃えられるほど美しい街ナポリ。是非一度訪れてみてください。

現地記者:
佐藤 モカ

イタリア・フィレンツェ在住。
作家、フリーライター、各種コーディネートなど。2013年女児出産、現在育児奮闘中。

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