ポーランドの結婚式~結婚披露パーティはどんな感じ?~

この時期ハイシーズンを迎えているポーランドの結婚式の結婚披露パーティの様子についてをお送りします。

ポーランド結婚式は日本のものとだいぶ違いますが、中でも一番の特徴といえば「時間が長い」こと。日本での結婚式は挙式と披露宴を合わせて数時間ですが、 ポーランドでは昼の挙式から始まり、披露パーティは翌日の朝まで行われるのが一般的です。カップルによっては2日間行うことも!一晩中飲んで食べて踊って みんなでワイワイ楽しむ、いわば体力勝負。ポーランドで結婚式に参列すると、ポーランドの人々のスタミナに毎回驚かされます。

それではポーランドの面白い伝統あふれる結婚披露パーティの様子をご紹介しましょう。(写真は筆者の結婚式のもようです。スタンダードなポーランド流の結婚式を挙げたので、雰囲気をわかっていただけると思います)

教会での挙式後、まずはパーティ会場前でゲストにかこまれてのウェルカムセレモニー

①"パンと塩の歓迎"(przywitanie pary młodej chlebem i solą )

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パンは豊かさの象徴、塩は魔よけを意味し、「これからの二人の生活が幸せなものであるように」という願いを込めたポーランドの伝統儀式のひとつで、新郎新婦はパンに塩をつけて食べます。

②シャンパングラス投げ&二人で片づけ

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パンと塩の儀式が終わると、みんなにシャンパンが配られ、乾杯します。新郎新婦のグラスはリボンで繋がれており、シャンパンを飲みほした後、「せーの!」でグラスを後ろに投げます。割れた破片の数だけ結婚後に幸せが訪れる、といわれています。そしてシャンパングラス破片は、新郎新婦が一緒に掃除します。

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これが夫婦になって初めての共同作業(笑)。

③会場前でお祝いタイム

ゲストが新郎新婦の前に列を作って、ひとりひとりお祝いの言葉をかけてくれます。祝福の言葉の後、右、左、右と計3回頬にキスするのがポーランドの風習です。このお祝いの時に、プレゼントやご祝儀を渡してくれるゲストもいます。日本のように受付を設けてご祝儀を渡すというのではなく、直接手渡し、がポーランド流です。

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新郎新婦の横には世話役のŚwiadkowaとŚwiadekがスタンバイしてゲストからのプレゼントとご祝儀を管理してくれます。

会場前のウェルカムセレモニーの後はいよいよ披露パーティの始まり!

お決まりの「お姫様だっこ」で入場のあと、乾杯、そしてポーランドのお祝いの席には欠かせない歌"Sto lat"をみんなで合唱します。これは「百歳」という意味の歌で、100年長生きしますように、幸せが100年続きますように!という意味が込められてい て誕生日や結婚式などお祝いの席で必ず歌われます。

披露パーティでもいろいろと面白い風習があります。

①とにかく食べて、飲んで、踊る!

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デザート、夕食、日付が変わってからもウエディングケーキにスープに冷菜、飲み物はウォッカにビール、ワインと常にテーブルの上には食べ物・飲み物が切れ ることなく並んでいる状態です。山のように食べて飲んで、そしてその合間に踊って消化してまた食べて...ポーランドの結婚披露パーティはとにかく体力勝負で す。

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②花嫁のお色直しなし

挙式、パーティと昼過ぎから始まって翌日の明け方お開きになるまで、花嫁はウエディングドレスを着っぱなし、完全な着たきりスズメです。ダンスを踊るのに 楽なようにと靴を履き替える新婦はいますが、ドレスを着替えることはありません。その代わり、ゲストのなかには昼用、夜用とドレスを替える人はいます。

③「ブーケトス」ではなく「ベールトス」と「ネクタイトス」

パーティがすすみ、いい加減みんなできあがって&疲れてきた午後0時。ここでパーティのメインイベント、「ベールトス」があります。

日本ではブーケトスのところが、ポーランドでは花嫁がつけているベールを投げるのです。教会式からこの瞬間まで、花嫁はベールをつけ続けなくてはいけません。ここで初めて外すベール、花嫁自らが外すものではなく、その役目は花婿のもの。が、そう簡単には取らせないのがポーランド流です。花嫁の周りを未婚女性たちが囲み、がっちりガード!そこにこの日のサポート役のŚwiadek とŚwiadkowaが加わります。花婿はそれらのガードをくぐり抜けて花嫁のベールをゲットしなくてはなりません。

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無事にベールが外されたら、あとはブーケトスと同じ要領。後ろに未婚女性がスタンバイし、花嫁は前を向いたまま、えいや!っとみんなに向かって投げます。

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続いては男性バージョン。これは花婿がつけているネクタイ(または蝶ネクタイ)を投げます。

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えいっ!こうして見事ベールとネクタイをゲットした次の新郎新婦候補同士でダンスを披露したり、ウォッカで乾杯しあったりします。

④花嫁のガーターベルト外し

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この由来はなんなのでしょうか、周囲のポーランド人に聞いてみたものの、はっきりしないのですが...

することはいたってシンプル、花婿が手を使わずに、花嫁がドレスの下・ふとももに着けているレースのガーターベルトを外します!というイベントです。頭を 動かしてドレスの裾をめくり、中へともぐり歯ではずすのですが、これがくすぐったいったらありゃしない。ゲストはくすぐったがる新婦と一生懸命な新郎の様 子を見て盛り上がります。

⑤何度も繰り返される「Gorzko!Gorzko!」コール

「Gorzko」は「苦い」という意味で、「苦いぞ!苦いぞ!→二人のキスで甘くしろ!」ということで、このコールが起きたらみんなの前でキスをし なくてはいけません。日本人としてはみんなの前でキスなんて!とちょっと抵抗がありますが、パーティの間中、酔っ払ったゲストたちから声がかかります。こ んなにたくさんキスをするのは一生のうち、この日くらいなものでしょう...。

新郎新婦とゲストみんなが入り混じって一晩中飲めや踊れやの賑やかなポーランドの結婚式、終わるころには食べ疲れ・踊り疲れでへとへとになりますが、とても楽しい、一生の思い出に残る一日になること間違いなしです。これをお読みの方が、ポーランドの結婚式に招待されることがあればぜひ出席をお勧めします。その際は動きやすくてお腹周りに余裕のある服装で参加することをお忘れなく...!

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2010年秋よりポーランド南西部在住。小さな田舎町でポーランド人家族とのんびり暮しつつ、日本とはずいぶん違うポーランドの文化、料理、言葉、人々の暮らしをマイペースで勉強中。

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