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オーストリア

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オーストリア最大の巡礼地、宝石のような町マリアツェル

ウィーンから南に2時間ほどの距離に、マリアツェル(Mariazell)と言う小さな町があります。山間の静かな町なのですが、教会は町の規模に似合わないくらい大きく荘厳です。
 
それもそのはず、マリアツェルは、オーストリアだけでなく周辺国からも多くの人が訪れる、歴史ある巡礼の町なんです。街の中心で存在感を放つ教会はバジリカと呼ばれ、多くの巡礼者の目的地になっています。
 
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マリアツェルの巡礼教会
 
中央の塔はゴシック様式の14世紀のもので、両側の塔は17世紀のバロック様式。荘厳さと女性らしさが融合され、身近でありながら宗教的な雰囲気を醸し出しています。
 
この教会のご本尊は、奇跡を起こした謂れのある木彫りのマリア像です。教会に入ると、中央部分に金銀きらびやかな祭壇があり、その真ん中に白い服を着せられて安置してあります。
 
そのマリア像にまつわる奇跡は、このように語り継がれています。1157年、マグヌスと言う名の修道士が現地の人たちの魂を救うため、この地域に送り込まれました。ところが、目的地を前にして道に大きな岩が道をふさいでいたため、手にした木彫りのマリア像に助けを求めました。すると奇跡が起き、岩が割れて道ができました。目的地に着くと、マリア像を木の幹に置き、礼拝堂兼寝床となる小屋(Zell)を建てました。これが、「マリアの小屋」を意味するマリアツェルの由来となっています。
 
 
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バジリカの側面。修道女が散歩している。
 
この木彫りのマリア像は、今でもオーストリアの偉大なる母として崇拝されていて、世界中、特に中東欧から多くの巡礼客が訪れます。冷戦直後の1990年には、元東側諸国から2万人の巡礼者が訪れましたし、最近では、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世とベネディクト16世も巡礼に訪れ、大規模なミサを行っています。
 
昔は徒歩で遠方から巡礼をする人がほとんどでしたが、最近はウィーンから数日かけて、125キロの道のりをサイクリングで巡礼する人も多いようです。自転車愛好家たちが、教会の前でグループ写真を撮っている姿も見られました。
 
 
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巡礼の若者たちが教会の前で記念撮影
 
バジリカ内部はこの規模の田舎の町にしてはかなり大きく、雰囲気は聖母マリアを祀っているだけあって、明るく女性的。巡礼者だけでなく、観光客や地元の人も気軽に立ち寄っていますので、ぜひ一度中を覗いてみてください。(内部は撮影禁止です)
 
バジリカをじっくりと見た後は、街を散歩してみましょう。マリアツェルの町並みは、宝石をちりばめたような明るくかわいらしい中にも、歴史を感じさせます。
 
 
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教会前広場には、古風なホテルが建ち並びます
 
中央広場には、ホテル、レストラン、みやげ物屋が軒を並べますが、どことなく雰囲気が歴史的で宗教的。ホテルも「金のライオン」「三羽のウサギ」など、物語に出てきそうなネーミングです。お土産屋さんには、キリスト教関係のロザリオや十字架、聖母子像などが並んでいます。
 
 
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巡礼地マリアツェルのお土産屋には、様々な成人の像が並ぶ
 
またこの町は、巡礼教会にあやかった薬草や薬草酒も有名です。教会の前の薬局では、「マリアツェル印の胃薬」や「マリアツェルのハーブ酒」など、いかにも効能のありそうな薬が売られています。
 
 
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ハーブを売る薬屋の看板
 
マリアツェルは巡礼の町なだけではなく、ウィンタースポーツでも有名です。街中からゴンドラに乗ってすぐそばの山ビューガーアルペ(Buergeralpe)に登ると、冬はそのまま滑り降りることができます。また、夏場は、この山頂付近はハイキング客でにぎわいます。山や湖の景色を楽しみながら、のんびりとお散歩を楽しんでみてはいかがでしょう。
 
 
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山頂からの景色
 
こんな風に、色々な楽しみ方のできる巡礼の町マリアツェル。ウィーンからは鉄道で約2時間半、車で約2時間と、がんばれば日帰りできる距離です。オーストリアの田舎を楽しみたい方は、、ぜひ目的地の一つに選んでみてくださいね。
 

現地記者:
ひょろ

国際機関勤務を経て、現在は二児の子育ての傍ら、ウィーン大学博士課程に在籍中。ライター業、翻訳レビュー、ネットショップ、写真撮影など、活動は多岐にわたる。
http://wienok.blog119.fc2.comにて、ウィーンのミュージカル情報を発信中。

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