89(ハンキュー)BLOGチャンネル 世界はちょっと楽しい!-海外現地情報ブログ-

オーストリア

オーストリアの現地記者が各地のお祭りやイベント、ご当地グルメからおもしろスポット、生活のひとコマまでフレッシュな現地の情報をお届けします。

皇帝も訪れた?!ウィーンの歴史あるアイススケート協会のスケートリンク

ウィーンでは、1月になり、クリスマスマーケットの時期が終わると、市庁舎前の広場で仮設のスケートリンクが作られ、夢のように美しい景色の中でスケートを滑ることができます。市庁舎前のリンクは観光客が多かったり、入場料が高めだったりと言うことで、もっとガッツリ滑りたい地元民は、常設の「ウィーンスケート協会」に滑りに行く人も多いようです。
 
 
AT_20170101_1.jpg
ウィーンスケート協会のスケートリンク。背景はお隣のコンツェルトハウス。
 
この「ウィーンスケート協会」のスケート場は、市民公園の裏手、ウィーンで二番目に有名なコンサートホール「コンツェルトハウス」のお隣と、絶好の立地。冬になれば、家族連れやアイスホッケーの選手で賑わいます。この敷地は、夏には「サンド・イン・ザ・シティ」という野外イベント会場となり、足元に砂を感じながら屋台でビールを買い、夏を楽しむ人たちの憩いの場となります。
 
1867年に創立された「ウィーンスケート協会」が今の場所を活動の拠点としたのは1901年からですので、今年で115周年ということになります。1901年と言えば、ハプスブルク家は皇帝フランツ・ヨーゼフと美貌の皇后エリザベートの時代であり、ヨハン・シュトラウスが活躍し、ウィンナーワルツが絶大な人気を誇ったこの時代。ワルツに合わせて氷上でアイスダンスを踊る人も多く、スケートは大ブームだったそうです。貴族の若い男女が、ここでスケート靴を履いて滑っていたかと思うと、不思議な気持ちになります。
 
また、この土地はあの有名な画家とも関係があります。夏期には利用されていなかったこのスケート場と、当時コンツェルトハウスが未建設で空き地だった隣の土地を利用して、1908年にグスタフ・クリムトとその仲間たちが、巨大な臨時芸術展を開きました。クリムトの他にも、ヨーゼフ・ホフマン、コロマン・モーザー、オスカー・ココシュカ等の、時代を代表する芸術家たちが、この土地に建てられた仮設の美術館に集結し、ウィーンの世紀末建築の大きな歴史を刻む芸術展となりました。
 
 
AT_20170101_2.jpg
110年前はこのリンクの上に、クリムトの展覧会場が建てられていた。
 
そんな由緒ある敷地にあるスケートリンク。設備自体は古い建物のためレトロなところもありますが、ロッカーやスケート靴のレンタルなど、必要なものはすべてここで揃います。また、リンクの周りにはバーやレストランが立ち並び、スケートの合間に暖かい屋内で休憩することもできます。
 
 
AT_20170101_3.jpg
スケートリンクの真ん中には、ホットワインが飲める屋台まであります。一休みしながらのんびり滑るのがウィーン風ですね。
 
 
AT_20170101_4.jpg
ここでは、ただぐるぐる滑るだけではなく、アイスホッケー、フィギュアスケート、アイスダンス、カーリングなど、様々なスケート競技が一つのリンクで楽しめます。アイスホッケーの練習場は、一部を区切って行うこともありますが、こんな風にスポーツウェアのままで走り回る人もいます。
 
また、色々な種類のアイスダンスのレッスンを常時開催していて、リンクの一部を区切ってショーやレッスンをしています。ワルツの都ウィーンらしく、氷上社交ダンスが人気で、クラシック音楽に合わせて滑るイベントも毎週開かれています。
 
 
AT_20170101_5.jpg
とある日曜日に、衣装を着て踊っている人たちもいました。
 
 
AT_20170101_6.jpg
集団でのアイスダンス。ショーの練習でしょうか。
 
 
こんな風に、夏も冬も市民の憩いの場となる、ウィーン一等地のアイススケート場。10月末から3月頭まで営業していますので、市庁舎前のスケートリンクのオフシーズンに滑りたい方や、氷上社交ダンスを見てみたい方など、ぜひこちらにも足を運んで、100年の歴史に思いを馳せてみてくださいね。
 

現地記者:
ひょろ

国際機関勤務を経て、現在は二児の子育ての傍ら、ウィーン大学博士課程に在籍中。ライター業、翻訳レビュー、ネットショップ、写真撮影など、活動は多岐にわたる。
http://wienok.blog119.fc2.comにて、ウィーンのミュージカル情報を発信中。

現地情報ブログの記事は、現地在住の一般の方により執筆されています。(阪急交通社社員の作成した記事も一部含みます。)
ブログ掲載後、情報が変更になっている場合がございます。
記事内に書かれたWEBサイトへのリンクは阪急交通社が管理していないものも含みます。
掲載されている情報を活用される際は、ご自身の責任で判断していただくようお願いいたします。