<乗り方とルート編>ウィーンで観光用馬車フィアカーに乗ってみよう

ウィーンに一度でも来られた方は、パカパカと石畳を鳴らして馬車を引く馬の足音に耳を澄まし、一国の首都に馬車が走っている!と驚かれたことがあるかもしれません。そう、ウィーンでは、ハプスブルク家の雰囲気そのまま、当時の交通手段だった馬車が、まだ車と肩を並べて車道を走っているのです。

その名も、観光用馬車フィアカー。二頭立ての馬が4人掛けの馬車を引き、御者が御者台に座っている、本物の馬車です。

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王宮前を走り抜けるフィアカー

実は、ウィーン人や在住が長い人でも、なかなか乗ったことのないこのフィアカーですが、実際に馬車と並走する機会の多いウィーン人ドライバーは、馬車が目の前をゆっくり走っていても、あまりイラついたり怒ったりしません。「フィアカーはウィーンの歴史の一部なのだから、待たされるくらい構わない」と言う声も聞かれます。

そんなウィーン人に愛されるフィアカー。今回は馬車からの景色と共に、乗り方や楽しみ方をご紹介しましょう。

フィアカーの乗り方

フィアカーの乗り方はとっても簡単。シュテファン大聖堂の横やオペラ座の裏手など、主要な観光地には必ず何台か止まって客待ちをしています。

ウィーン旧市街内のフィアカー乗り場は、シュテファン広場、ヘルデンプラッツ(ホーフブルク新王宮前)、ミヒャエル広場(ホーフブルク入り口)、ペーター教会前(グラーベン)、ブルク劇場横、アルベルティーナ美術館前(オペラ座裏手)の6箇所にあります。

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オペラ座裏手アルベルティーナ美術館前での客待ちフィアカー

気に入った馬車を見つけたら、コースを選びます。フィアカーには一律価格の値段表がついていて、二つのコースから選ぶことができます。

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フィアカーに貼りだされている値段表

20分コースが55ユーロ、40分コースが80ユーロです。これは馬車1台分の値段なので、一人で乗ればかなりの値段ですが、最大4人で乗れば頭割りで結構お得になります。

フィアカーの御者はタクシーと同じように登録制で、それぞれフィアカー会社に属しています。明瞭会計でぼったくりなどされることはありませんので、安心して乗ってくださいね。

フィアカーの走るルート

実際のルートは時間内で自由に決めることができます。「王宮とブルク劇場を見たい」、「最後はカフェ・ザッハの前で下ろしてほしい」の様に具体的に伝えてもいいですし、コースの時間だけを決めてルートは御者にお任せしても大丈夫です。

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ホーフブルク内を走るフィアカー御者の背中

御者さんは通常英語とドイツ語を話しますが、言葉に自信がない時は、コースだけ希望を伝えたら、適当に旧市街の見どころを周って、元の場所に連れて帰ってくれます。おまかせコースは座っているだけでウィーンの主要な観光地を相当見れてしまうのですから、とてもお勧めです。

コースの選び方ですが、リンク内の観光地を3つ以上見て回りたければ40分コースがお勧めです。20分コースですと、2か所くらいしか回る時間はありません。移動しながら観光がしたいのか、少し馬車の雰囲気を楽しみたいのかによって選んでくださいね。

全天候型フィアカー

夏は日差しがきつい日もあり、冬は凍えそうで日も短いウィーン。しかしフィアカーは全天候型ですので、心配ご無用。夏はほろを出してもらえば涼しい日陰になりますし、冬は屋根付きになり、毛布やひざ掛けを貸してもらえます。また、夜になると馬車にランプがともり、とても雰囲気のある夜の道行きになります。

これで、フィアカーに乗るまでの準備は整いましたね。次回は実際に乗って、フィアカーの楽しみ方をご紹介します。

>次回の記事「<一味違うウィーンの車窓から編>ウィーンで観光用馬車フィアカーに乗ってみよう」はこちらから!

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ひょろ

オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。

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