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2007年05月28日
カテゴリー:ヨーロッパ・アフリカ | オーストリア(東中欧)

ポーランド人とカトリック文化

ポーランドは敬虔なカトリックの国で、国民の90%以上がキリスト教徒です。


毎年春のイースターや12月のクリスマスは、国を挙げてのお祭りになりますし、6月の聖体節の時期には、
純白のドレスやタキシードに身をつつんだ子供たちが、笑顔で教会へ向かう姿に出会います。
11月1日のカトリック諸聖人の日(万聖節)は、日本のお盆のような感じで、先祖のお墓参りをします。
このように、年間行事のほぼすべてが、キリスト教の宗教行事に由来しています。


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[写真]クラクフ・聖ペテロパウロ教会


ほとんどのポーランド人は、生後3・4ヶ月でカトリックの幼児洗礼を受けます。
最近の若者の間では、教会に足を運ぶ人の数がめっきり減ってきているようですが、
それでもひとたび教会の中に一歩入ると、大勢の人が熱心にミサに参列している光景に出会います。
同じヨーロッパでも、宗教色がだいぶ薄れてきているドイツやチェコとは異なり、
ポーランドでは、カトリックは、今もなお、生活の隅々まで根付いています。

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[写真]ミサに参列する人々


ポーランドは、その建国以来キリスト教を受容し、西欧カトリック文化圏に属してきました。
とりわけ中世ヤゲウォ王朝時代のポーランド王国は、カトリックの東の雄として、欧州有数の大国になりました。
その繁栄を支えたラテン・アルファベットや、石造建築、中世に花開いたルネッサンス文化などは、
すべてカトリックという宗教ともに、ポーランドに伝わったものです。
また近代に入ってからも、上流貴族は好んでラテン語やフランス語を話し、
子弟をフランスに留学させるなど、西欧カトリック諸国との盛んな文化交流がありました。


一方で、東の隣人であるロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人に対しては、
同じスラブ人であるにもかかわらず、「自分達はカトリック教徒のポーランド人、
彼らはロシア正教徒であるから異教徒の野蛮人」と必要以上に区別をしてきました。
ポーランド人と同じスラブ人であるため外見も酷似しており、言葉も互いにある程度通じるのですが、
これらロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人など東スラブ人のことを、
ポーランド人は必要以上に外国人扱いし、自分達との間に一線を引いてしまうきらいがあります。
とりわけロシアとは長年の敵対関係にあります。


またユダヤ人との自国内での長い共存の歴史から、ユダヤ教徒のユダヤ人に対し、
ポーランド人は、カトリック教徒であることで、自らのアイデンティティを保ってきました。
とりわけ第二次世界大戦中は、宗教の違いが生死の分かれ目になるという異様な事態の中で、
カトリック教徒であることは、単なる生活習慣以上の意味を持っていました。


さらに戦後はロシアの共産主義支配に苦しめられました。
このときポーランド人の希望の星だったのが、先代のローマ教皇、ヨハネ・パウロ二世でした。
ポーランド出身のヨハネ・パウロ二世は、共産主義を恐れず、カトリック教徒として
神を信じ戦うことを民衆に説き、それが90年代の東欧崩壊につながりました。


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[写真]チェンストホーヴァ・ヤスナグーラ僧院のヨハネ・パウロ二世の像


このような複雑な歴史・地理背景から、ポーランド人は、カトリック教徒であることに、とても誇りを持っています。
カトリック教徒であることは、ポーランド人にとって、アイデンティティそのものなのです。

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現地記者:ヴァシレフスカ・サチコ
2003年東京大学大学院終了 生命科学修士
同年4月ポーランド人の夫と結婚、ポーランドに移住
ポーランドにてフリーライターとして活躍
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