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2006年12月13日
カテゴリー:ヨーロッパ・アフリカ | オーストリア(東中欧)

オーストリア/ウィーンにあいさつを2「モーツァルトは哀しい?」

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2「モーツァルトは哀しい?」


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モーツァルト肖像画/イメージ((C)ANTO/Gesel lschaft der musikfreunde)


 「モーツァルトの全ての交響曲は、深い哀しみに満ちています。」
これは、20世紀指揮界の巨匠カール・ベーム博士生誕100年を記念し、NHKが放映した番組でのベーム博士の言葉です。


神童・天真爛漫・天衣無縫等々・・・私のみならず、モーツァルトに対するイメージとはそんな風ではないでしょうか?更にベーム博士は次のように続けました。「オペラ『後宮からの誘拐』の、[酒飲みの二重唱]にすら、私は<厳しさ>を感じます」と。このオペラの作曲当時、モーツァルトは25歳。彼の私生活といえば、横暴な大司教から自由の都ウィーンへと逃れ、最愛のコンスタンツェとの結婚が決まった頃であり、彼の短い生涯において一番幸せな時代であったと思われます。


このオペラの大まかなあらすじは、ベルモンテ(モーツァルトを思わせる主人公)が、トルコ太守の家から許婚、その名もコンスタンツェを奪還するというものです。自身の生活とだぶるストーリー。自由への希望に満ち、愛する者を手に入れることが出来た彼に、明るい心情以外の苦しみも哀しみも書けるはずはない。特に[酒飲みの二重唱]は、ピッコロ・シンバルがリズミカルに活躍する管弦楽が実に明るく、オスミンとペドリロが肩を組んで、バッカス万歳!バッカス万歳!と、ワインを飲みながら歌う場面で、私には一番リラックスして聴ける箇所なのであります。

が、ベーム博士は<厳しい>と、指摘しているのです。音楽を真剣に聴き始め約25年経つ私には、とてつもなくショッキングな言葉であり、未だに理解できず、悩み続けています。音楽とは、「失言症の、喜怒哀楽といった感情表現の一種」と言われます。少なくとも喜怒哀楽を感じ取るのが、我々音楽愛好家の最低限の義務であると確信するのですが、私が最も敬愛するベーム博士のあの言葉が重くのしかかっています。ベーム博士の棒でモーツァルトのオペラを20回程体験をしたにも関わらず、<哀しみ>を見出せず情けない!一体、その<哀しみ>はどんな<哀しみ>で、その背景には何があるのでしょう?


最後に、詩人ゲーテが残したモーツァルト評の一節を。「人間共をからかうために、悪魔が発明した音楽だ」(エッケルマン著『ゲーテとの対話』1829年)


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ザルツブルグ モーツァルトの生家/イメージ


・・・次回は交響曲40番の哀しみを。<ツル>

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