バリ島 GO門さま
ごっつい顔をして悪人っぽく見える風体は、
歳を聞くと驚くほど若いのでビックリしてしまう。
実家のジャワで数年前、老いて亡くなった彼の父親は
地元でも有名なドグゥン(霊能力者)として人々から尊敬されていた。
病の人を手でなぞると、たちどころに病から解放されたそうだ。
その父が亡くなる前に、自分の持てる力を多くの人に分け与えた。
彼もその力を分けてもらったひとりである。

目を瞑って腕のツボを探ってゆく。
指がす〜と滑ってピタッと止まる。
皮膚を押し、肉を分け、ピンポイントで滞った『ワルイモノ』に圧力がかかり、
『ワルイモノ』がモワ〜と消えてゆく。

以前肩の調子が悪い時に、彼がマッサージを施してくれて、
腕の先から何かを引張るように掴み出し、
それを握り締めて表に出てゆき、バイクでどこかに消えてしまった。
何も知らされていないボクは呆気に囚われていて、ボヤ〜としている内に、
数分たってバイクが戻ってくる音がした。
部屋に入ってくるなり
『釘が出てきたから、遠くに捨ててきた』

こんな彼が今、出張マッサージ業を始めたそうだ。
電話をすればホテルでもヴィラでも、どこでもバイクで飛んできてくれる。
インドネシア特有の臭いオイルを使うので、匂いに抵抗のある方は多いかもしれないけど、
バリエステやオイルマッサージ、指圧とは一味違う『霊感マッサージ』も面白い体験になるかもしれない。
足の指先からブラックマジックを抜く技を持っている彼を、
ボクたちは『GO門さま』と呼んでいる。
その時の痛さって言ったら、まるで拷問を受けているようだからだ。
そして歯を見せて笑う仕草が黄門さまとダブルから。
写真で判るとおり、気は優しい人なんだけど、
なんせ、顔が恐い。
安全な人物で何にもないと思うけど、
決して独りの部屋には呼ばないでくださいね。
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現地記者:かっちゃん
1953年生まれ早稲田大学第一文学部中退
バリ島で、レストラン『海山』、『日本人村』展開中
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