ボルネオ島(2)
「普通の旅ではもう物足りない。」という人にはこんな旅はどうだろうか。
コタキナバル(KK)から国内線でサバ州内の移動。行き先はサンダカン。
サンダカンは山崎朋子の「サンダカン八番娼館」が有名だが、昔、貿易で栄えたこの
街も今はひっそりとした感じで、正直、街自体はあまり見るところもない。
ならば、どこへ?ここから更に奥地へ行くのだ。
おっと、その前に、サンダカン近郊にセピロック・オランウータン・リハビリテーショ
ン・センターというのがあるので、折角サンダカンに来たのなら、寄ってみるといい。
オランウータンというのは、6〜7歳まで母親が育てるのだが、ここでは、親を亡くした
り山火事などで行き場を失ったり、違法に人間にペットとして飼われていた子供のオラ
ンウータンが、野生生活に順応できるように、保護、トレーニングされているセンター。
1日2回、餌付けの時になると敷地内にいる子供のオランウータン(3〜9歳くらい?)が
あちこちからやって来て、食事の様子を見ることが出来る。(自分達が餌を与えたり、
オランウータンに触れることはできない)その時間意外でも、敷地内にオランウータン
がいるので、木にいるオランウータンなども見ることができる。資料室もあり、オラン
ウータンの事を色々知る事も可能だ。
さて、サンダカンから目指すのは、サバ州で2番目に長い(私の間違えでなければ)、
キナバタンガン川流域にある、スカウ村。
サンダカンからボートで海洋に出て、河口から上って行く事もできるし、陸路で移動す
る事もできる。どちらかと言えば、油ヤシ農園を延々と移動する陸路よりも、ボートで
移動する方がガタガタ揺れる事もなく楽に移動できるし、マングローブ林に寄ることも
でき、楽しいので、ボートで行く事をお勧めする。
スカウ村では、ジャングル・クルーズをしながら野生動物、様々な野鳥を観察する事が
できるエコ・ツーリズムの村なのだ。運がよければ、野生の象にも出会うことができる。



この象たちは『ボルネオ象』といい、通常のアジア象(インド象)よりも少し小型。
やはり仕事で4度行っているのだが、ラッキーな事に私は4度とも象に遭遇している。
Orang Utan Research Siteという野生のオランウータンの生態・生息状況を観察・研究
しているセンターがあり、観測域である森の中を歩きながらオランウータンの事を知る
事ができる。(入場有料。運営資金を集めているので結構高い。)
野生の動物というのは、本当は健康なジャングルではそうそう遭遇できるものではない。
なぜここで野生動物を見ることができるか・・・というと「森が小さくなっているから」
という理由に他ならない。ただ、動物を見るだけでなく、そんな事も考えるきっかけにな
るはずである。

宿泊施設は結構あり、ちゃんとお湯のシャワーが出る、綺麗なリゾートもあるので行って
みたいけれどボロボロのロッジは・・・という人でも安心していい。
さて、もう1箇所お勧めを。ダナンバレー(Danum Valley)自然保護区。

サンダカンから陸路でも行かれるが(5時間くらいか?)、KKから飛行機でラハ・ダトゥへ
行くのが楽だろう。なぜなら、ラハ・ダトゥの保護区事務所(旅行代理店だった)で登録
した後、更に車で約2時間全身マッサージを受けながら(でこぼこ道)の移動になるからだ。
ダナンバレーは、自然の研究目的で保護されており、壊されていない自然を観察すること
ができる。鳥類が約280種類、オランウータンなど哺乳類が約120種類、爬虫類約70種類、
昆虫は毎年新種が見つかっている・・・というような所。
大型哺乳類にはそうそう会えないが、フィールド・センターの方は、オランウータンには
比較的遭遇しやすいと思う。
Borneo Rainforest Lodgeが一般のツーリストが泊まる、リゾートで綺麗で快適な宿泊施設
だが、車で30分くらい離れたDanum Valley Field Centerでも宿泊する事が可能。
ここは主に学生や研究者用に解放されている物なので、予約は早めに入れないと泊まる事
ができない(最低でも1ヶ月前に。ピークシーズンはもっと前から。)。
私はどちらかというと、ジャングルの自然よりも、ショッピングやリゾート・ホテルでのん
びり派なのだけれど、スカウ村、ダナム・バレーは非常に興味深かった。仕事でじゃなけれ
ば、行く機会は無かっただろうと思うけれど、ここは是非勧めたい。
(マレー半島側では、タマン・ネガラがやはり手付かずのジャングルで、ここも素晴らしか
った。)
またスカウ村、セピロクのオランウータン・リハビリテーション・センターは、子供を連れ
て行き、自然と人間の事を考えるのにとってもいい場所の一つだと思う。
深い森に囲まれ、巨大なアリや植物、木を見る、ゆったりとした時間を過ごすと、
「人間は自然の一部でしかないのだ。」そんな事を感じるだろう。

今回で、私のレポートは最終回です。14年のKL生活にピリオドを打ち、近く日本に帰国する事に
なりました。「マレーシアに行ってみたいな・・・。」そんな風に思ってくださる人が一人でも
増えていたらいいな・・・と思いながら書いていました。長らく愛読ありがとうございました。
私もネットの住民でもありますので(笑)、気が向いたら探してみてください。
では、またいつか、どこかで。

Be happy, always. From KLクミコ
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現地記者:宮下クミコ
1990年に渡航。
数年後個人事務所を設立。現在に至る。撮影や取材・リサーチなど
マスコミ系のコーディネーターが主な仕事だが、
他にコンサルや通訳翻訳もやっている
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