ポーランドの結婚式
ポーランドでは、Rの文字が付く月に結婚すると、幸せになれるといわれています。
ポーランド語でRの文字が入った月は、3月、6月、8月、9月、10月、12月。
このうち、気候が温暖で屋外での挙式に向いている、6月、8月、9月が、挙式のベストシーズンです。
ポーランドでは、ここ数年、結婚ブームが続いています。
1980年、労働者組合「連帯」のストライキに端を発した民主化運動では、
政府により「戒厳令」が布かれ、ポーランドは準戦時体制となりました。
その時その反動からベビーブームとなり、それから二十数年経った現在、
このベビーブームで生まれた子供達が、一斉に結婚適齢期を向かえて、
空前の結婚ラッシュとなっているのだそうです。
教会やレストランは、夏季の時期とくに結婚式の予約が殺到し、
人気の会場は一年先まで予約が埋まっているところもあるそうです。

結婚式には、教会婚と市役所婚の二通りがあります。
教会婚とは、教会での結婚ミサにて成立する婚姻式のことです。
結婚ミサでは、神父の前で新郎新婦が誓いの言葉を述べたあと、
互いの薬指に結婚指輪をはめ、これに男女の証人二人が付き添います。
ポーランドでは、ヴァチカンとの1993年の政教条約(コンコルダート)により、
教会で式を挙げれば、その後市役所などに改めて書類手続きをしなくても、
それが正式な法的効力を持つ婚姻の手続きとなります。

一方、市役所婚とは、普通に市町村の市役所のホールにて、
男女の証人二人の同席のもとに行われる婚姻式のことです。
教会婚と市役所婚、どちらを選んでもいいのですが、
敬虔なカトリック教徒で、古きよき伝統を重んじるポーランド人は、
雰囲気のある教会婚を好む人が多いようです。ただこの教会婚は、
新郎・新婦のどちらか一人が洗礼を受けたカトリック信者でないとできません。
また信者であっても、再婚の場合は教会婚は認められず、市役所婚となります。
結婚の手続きは、教会婚と市役所婚、どちらの場合でもとても煩雑で、
市役所婚で1ヶ月、教会婚では3ヶ月もかかります。

さて、式が終わったら披露宴パーティです。ここからは教会婚、市役所婚に共通です。
ポーランドでは結婚式は必ず土曜日に行われます。
披露宴は、土曜日の夕方から始まって、夜通し飲めや歌えやの宴会になり、
翌日曜の朝も、引き続きパーティが行われます。土曜日から日曜日にかけてなので、
参列者は、翌日の仕事を気にせず、朝まで飲み明かすことができます。
かつては、地方の農村部では、一週間も披露宴をしていた地方もあったそうですが、
最近は、人々の暮らしが近代化したことで、どこの地方でも、どんなに長くても三・四日です。
披露宴パーティの費用は、新婦側の家族がすべて負担することになっています。

披露宴の会場では、まず新郎新婦の両親がパンと塩を持って迎えます。
これは結婚してからも食べ物に困らないようにという意味があります。
地方によっては、コインを投げたり、ガラスを割ったりするところもあります。
次に両親はショットグラスを二つ用意し、それぞれにウォッカと水を注ぎます。
新郎新婦はこのウォッカと水のどちらかを飲むのですが、ふたつのうち、
水を選んだ方の人が、一家の家計の主導権を握るという言い伝えがあるそうです。

こうして披露宴パーティが始まります。
披露宴では、まずはスープから始まるコース料理をいただきます。
パーティでは、ブーケトスや花嫁さんがつけているベールのトス、
そしてウォッカのショット一気飲みなどの余興も行われ、大いに盛り上がります。
そして宴の席が佳境に入ると、みな自然と席を立って踊りだします。

世界で一番美しいといわれるポーランド人女性が、ひときわ輝く宴の夜は、
こうして明けることなく続き、参列者一同で、若い二人の門出を祝うのです。

ところでヨーロッパには、「花嫁が何か青いものをつけると幸せになれる」という、
something blueの言い伝えがあります。ポーランドでもこの伝説は信じられていて、
みな白いウェディングドレスの下に、青い靴下やガードルなどをつけています。
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現地記者:ヴァシレフスカ・サチコ
2003年東京大学大学院終了 生命科学修士
同年4月ポーランド人の夫と結婚、ポーランドに移住
ポーランドにてフリーライターとして活躍
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