ヴィスワ川クルージングとティニエツ修道院
国土のほぼ中央を流れるヴィスワ川は、ポーランドの母なる川です。
グダニスク、トルン、ワルシャワ、カジミエジュ・ドルヌィ、サンドミエジュ、クラクフなど、
中世以前の時代からの街の多くが、ヴィスワ川沿いに発展した街です。
川を背にする格好で市街地を築くことで、敵軍の攻撃に備え、
一方で川を使って麦や岩塩・琥珀原石などの特産物を運搬し、
商業貿易による繁栄を築くことができたからです。
グダニスク、サンドミエジュ、クラクフなどの観光地では、
夏季の観光シーズンの間、ヴィスワ川遊覧船が出ています。
旧市街を一通り見終わったら、遊覧船に乗ってみるのも、楽しみの一つです。

[写真] ヴィスワ川の遊覧船
クラクフでは、ヴァヴェル城下からヴィスワ川遊覧船が運航されています。
遊覧船側からヴァヴェル城を望む景色は格別です。
プラハやブダペシュトのように、川の両岸に旧市街が広がる街と違い、
クラクフの旧市街は、ヴィスワ川北側のみに広がり、南側は住宅地となっています。
それゆえヴァヴェル城や旧市街の見晴らしを楽しもうとすると、
長い橋を渡って、ヴィスワ川の南側へ足を運ばなければいけません。
しかし遊覧船にのれば.....わずらわしい橋を渡らずとも、
手軽にクラクフ旧市街のパノラマを楽しむことができるのです。
遊覧船の多くは、ビアガーデンスタイルになっており、停泊中も利用できます。

[写真] ヴィスワ川からみたヴァヴェル城
クラクフ市内観光コースでは、ヴァヴェル城下を出発し、まず上流側を見学。
ノルベルタネク修道院、コシュチューシコの山(遠景)、ビエラニィの修道院などを見学。
次に戻って今度は下流側の、日本美術技術センター・マンガ、スカウガの修道院、
レデンプトリスト修道院、ユゼフ・ピウスツキ橋、ポドグジェ広場教会の塔、
聖体教会の塔、コトラルスキ橋 を見学、合計30分のコースです。

[写真] ノルベルタネク修道院

[写真] スカウガの修道院
日曜日には、ベネディクト大修道院で有名なティニエツへ行くコースも出ています。
ティニエツ(Tyniec)は、かつてはクラクフに隣接する小さな田舎の村でしたが、
現在は、クラクフの街の拡大に伴い、クラクフ市の一部となっています。
ティニエツ修道院行きの船も、クラクフ観光コースと同じ場所からの出発です。
バスの利用も可能ですが、あまり本数がなく乗り換えが不便なので、遊覧船がお勧めです。
ティニエツへは、片道一時間半、合計三時間の長旅となります。


[写真] のんびりとした田園風景がどこまでも広がっています
途中の見所は、コシチューシコの水門。ここで5メートルほどの高低差を登ります。
この水門を通過すると、ややあって、ティニエツ修道院の建物がみえてきます。

[写真] コシチューシコの水門
ティニエツに到着したら、船をおり、ベネディクト大修道院を訪れてみましょう。

[写真] ティニエツの船着場 :カップルや家族連れなど、大勢の人でにぎわっています。
ベネディクト大修道院の歴史は大変古く、はるか11世紀にさかのぼります。
13世紀には、モンゴル軍の襲撃にあい、破壊されましたが、その後、
ゴシック、ルネッサンス、バロックなど時代の流行の様式で何度も 修復・改造されました。


通りから教会へのアプローチ。16世紀に作られたものです。
ヴァヴェル城の入り口の坂と似たスタイルになっています。
教会では、今日でも毎週日曜日にミサが行われており、
クラクフからも大勢の人が参列しています。
遊覧船は、このミサの時間にあわせての発着となっています。

[写真] ベネディクト大修道院
場末感がただような、それでいて生き生きとした活気に満ち溢れていて。
中世にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える、とても不思議な場所です。
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現地記者:ヴァシレフスカ・サチコ
2003年東京大学大学院終了 生命科学修士
同年4月ポーランド人の夫と結婚、ポーランドに移住
ポーランドにてフリーライターとして活躍
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