ギリシャのオレンジ
ギリシャの気候は、地中海性気候。夏の間、太陽の恵みを存分に受けて、素晴らしいオレンジが産出されます。これは、オリーブと並んで、とってもギリシャらしくて、大切な産品です。もちろん1年中オレンジは売っていますが、輸入物だったり、貯蔵品だったりして、フレッシュなギリシャ産オレンジには冬の時期に出会えます。形はまん丸、色は少し薄めのオレンジ、皮の感触はすべすべで、青空マーケットでは、新鮮な葉っぱや枝つきで売っています。もちろん八百屋さんやスーパーでも。
はるか昔、私が学生だった頃、はじめてのヨーロッパ旅行でギリシャを訪れたのは寒い冬。私はひどい風邪をひいていて熱もあり、フラフラで声も出ない状態でした。同行の友達はひとりで観光にでかけ、私はアテネに3日位の滞在中、ほとんどホテルで寝て過ごすことが多かったのです。でも、そんな中で感動したのが、ホテルの朝食に出る生オレンジジュース。こんなにおいしい飲み物、初めて!って感じの感動を覚えました。実際、初めてのギリシャで一番印象に残った食べ物(飲み物ですが)が、このオレンジジュースだったんです。まあ、風邪で体がビタミンを欲していたこともあるのですが。爽やかな香り、ほど良い甘みと酸味(この酸味がいいんです!)、あー美味しい!我が家では、毎日絞って飲んでいます。日本から見ると贅沢なことですよね。
アテネの街では、路上の街路樹として、このような木を方々で見かけます。ちょうど今、少し固めの実をつけていて、かわいいですよね。私もギリシャに来たばかりの頃は「街の中にもオレンジがある!やっぱり地中海だわー!!」なんて感動して、これをバックに一緒に写真を撮ったりしたのを思い出します。
でも、この木、後で知ったのですが、オレンジではないんです。食べないでくださいね!こちらでは「ネラジア」と呼ばれていて、ギリシャのマーマレードのようなお菓子(グリコ・クタリウ)にされたりはするようですが、生では食べられません。実がなかなか落ちないで代々ずっとついたままなので、日本では代々―ダイダイと呼ばれています。ちょっと試しに一つとって、果肉をなめてみましたが、生では酸っぱくて食べる気はしませんね。柿で言うと「渋柿」みたいな感じ・・・。確かに、おいしければ、みんな夜の間に取られて、売られちゃいますよね。だから、これは鑑賞用ということで!
これにまつわる義父の話。昔、義父が子供の頃、北部ギリシャに住んでいた時のこと。ドイツ軍が侵攻してきた時、このネラジアの木をオレンジと勘違いして、何も知らないドイツ人兵士たちが喜び勇んで食べているのを、クスクス笑いながら見ていたのを思い出すと言っていました。アテネの街に、地中海らしい彩と装いを与えてくれるネラジア、ギリシャにとてもふさわしい街路樹です。
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現地記者:kiyomulan
2000年に渡航。ギリシャ人の夫と結婚。
現在はアテネ海外ウェディング・コーディネーター兼通訳を行っている。
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